第三十七話 氷の海の神々その八
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「今回はな」
「そういうことやな、ほなな」
「ああ、火をどんどん使うで」
「そうするな」
「そして水にはな」
こちらの属性にはというと。
「木や」
「そちらを使うな」
「木は水を吸うやろ」
「ああ。それで水に強い」
「そやからな」
ここはというのだ。
「火と木をや」
「両方使うな」
「そしてな」
そのうえでというのだ。
「戦ってくで」
「敵の属性を衝く」
「それは今も同じや」
イヌイットの神々に対してもというのだ。
「ええな」
「ほなな」
中里は芥川のその考えに頷いた、それは他の者達も同じで彼の策通りに動いていった。そうしてだった。
イヌイットの神霊達を倒していった、そして全ての神霊達を倒すとセドナが屈託のない笑顔で言って来た。
「合格だよ」
「ほな上の階に行っても」
「いいよ」
シェリルに笑顔で答えた。
「おめでとうだね」
「ほな」
「じゃあ行く前にね」
「はい、宿屋に戻って」
「私達に勝ったことを喜んでね」
「そうさせてもらいます」
「それとね」
セドナはさらに言ってきた。
「私達に勝ったお祝いで何を食べるのかな」
「何を」
「鯨とか食べるかな」
「ああ、鯨ですか」
シェリルは言われてきょとんとなった、そしてだった。
仲間達を見回してだ、こんなことを言った。
「ここで食べる面子は」
「僕等だけやな」
芥川が無表情で答えた。
「僕と綾乃ちゃん、中里や」
「日本人の三人やな」
「国の食文化で言うとな」
それならというのだ。
「そうなるわ」
「そやな、けど私等もな」
「食べるな」
「こっちの世界では特にな」
「鯨を獲ったら」
捕鯨で、というのは言うまでもない。
「何でも利用するさかいな」
「鯨油だけやなくて」
「骨も皮もでな」
「お肉もで」
「それで食べてるけどな」
「ここではな」
どうにもとだ、シェリルは微妙な顔になって述べた。
「鯨を食べ様ってな」
「思わんかったな」
「ちょっとな」
「食べてもいいでしょ」
別にとだ、セドナはシェリル達に笑って話した。
「煮ても焼いてもキビヤにしたものでも」
「ああ、保存した」
「凍らせてね」
「そうですね、まあ宿屋に戻って」
それからとだ、シェリルは答えた。
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