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第九十七話 食べられる幸せその一

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                第九十七話  食べられる幸せ
 富美子はこの時クラスでグミを食べていた、自分の席に座ってクラスメイト達と一緒に食べていた。
 その時にだ、クラスメイト達は笑顔で話した。
「グミっていいわよね」
「この食感がいいのよね」
「病みつきになるわよね」
「そうよね」
「ええ、こうしたのが食べられるって」
 富美子は笑顔で言った。
「それだけで幸せよね」
「そうよね」
「大したことでない様でね」
「これだけで違うわよね」
「美味しいものが食べられたらね」
「それだけでね」
「というかね」 
 ここでだ、肌は雪の様に白く。
 アイスブルーの目でかなり大きな胸を持つ金髪を編んで頭に巻いている様にした一六四センチ位の背の娘が言ってきた。
「食べられたらそれこそね」
「いいのね」
「それだけで天国でしょ」
 富美子達のところに来て言ってきた。
「それだけでね」
「食べられない国もあるから」
「日本でもあったでしょ」
「戦争終わってすぐの時なんかね」
 まさにとだ、富美子も応えた。
「そう聞いてるわ」
「そうよね」
「平和な時でも」
 富美子は真顔でさらに話した。
「災害あるとね」
「そうそう、ここだって地震あったしね」
「神戸だってね」
「阪神大震災」
「私達まだ生まれてなかったけれど」
「大変だったのよね」
 富美子と一緒にグミを食べているクラスメイト達が言ってきた。
「大勢の人が亡くなって」
「もう何もかもが滅茶苦茶になって」
「それで食べるものだってね」
「大変だったのよね」
「そうよね、幸い餓えるとかはなかったけれど」
 富美子はそれでもと言った。
「こうしてグミを食べられるね」
「状況じゃなかったわね」
「とてもね」
「お菓子なんてね」
「もう食べられるだけ幸せで」
「戦争とかね」
 金髪の娘がまた言ってきた。
「とんでもない政治があったら」
「ああ、あんたウクライナだから」
 富美子はその娘自分達の中に入って自分はキャンデーを出して皆と一緒に食べようとしている彼女に言った。
「そうしたことは」
「わかるわ、二次大戦の時もね」
「大変だったのよね」
「戦場になってね」
 独ソ戦、二次大戦で最も過酷だったこの戦争の主な戦場の一つだったのだ。その為多くの惨劇も起こった。
「それで食べるものもね」
「なくて」
「戦争が終わってもね」
 それでもというのだ。
「暫くはね」
「そうした状況だったのね」
「その前もね」
 ウクライナの娘はグミを一個貰ってそれを口の中に入れてから不機嫌そうに話した。彼女のキャンディー様々な色のそれを舐めだしている娘もいる。
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