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夢幻水滸伝
第三百十六話 ケンタッキーの牧童その十二

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「統治するわ」
「そうされますか」
「市長さんとか街の主な重役はそのままや」
「街の統治にあたってもらいますか」
「それで選挙になったらな」
 その時はというのだ。
「またな」
「有権者の投票に委ねますね」
「そうするわ、この世界大抵の街や村は市長さんや村長さんは選挙で選ばれてる」
 そうして決められているのだ。
「そやからな」
「それまではですね」
「任期の間はな」
 これまではというのだ。
「やってもらうわ」
「それでは」
「ああ、軍はこれでな」
「こちらでの仕事を終えたら」
「撤退してもらうで」
「わかりました」
「そこにおる間軍規は守ってな」
 ギンズバーグはこちらの話もした。
「そしてな」
「無体なことはしないことですね」
「軍規軍律は厳しくしてな」
「そのうえで、ですね」
「悪いことはせんでや」
 そうしてというのだ。
「ことを進めることや」
「それが大事ですね」
「そやからな」 
 だからだというのだ。
「この度もな」
「はい、そこは守ります」
「そうしてもらうで」
「強いだけでなくですね」
「軍隊はやっぱり格好良くないとな」
 ギンズバーグは笑ってこうも言った。
「あかんわ」
「それには見栄えだけでなく」
「そや、真面目できちんとしてへんとな」
「恰好はつきませんね」
「悪いことする軍隊なんて賊と同じや」
 それこそというのだ。
「そやからな」
「この度もですね」
「そしてこれからもな」
 まさにというのだ。
「そうしてもらうで」
「軍にはですね」
「そういうことでな、ほな戦わずして目的を達成出来て」
 ギンズバーグはこのことを笑顔で話した。
「それでや」
「これで、ですね」
「よしとしよな」
 こう言ってだった。
 ギンズバーグは戦わずして街を降すことが出来たことに驚きつつも政を行いかつ喜んだ。そうしてだった。
 統治と勢力拡大を進めていった、勢力は日に日に豊かで安全になりかつ大きくなっていっていた。その中で。 
 軍を動かすこともあってだ、彼も出陣することがあったが。
「いや、恐ろしいですね」
「ギンズバーグ様は術もかなりですが」
「全ての術を使えてです」
「威力も我々とは桁が三つ程違う感じですが」
「神具です」
「何と言ってもそちらが」
「これな」
 一撃で攻める街の城壁を消し飛ばしたワイアット=アープの銃自分の右手にあるそれを見つつ将兵達に応えた。
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