第七幕その五
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「しかもな」
「ああ、今朝のことか」
「わしのお粥を盗み食いしたな」
「そうであったな」
「全く、悪戯好きなのは変わらんな」
「それで追い回されたな貴殿に」
「関羽殿が言うから怒りを収めたが」
それでもと言うのでした。
「今度やったら拳骨を落とすぞ」
「では三日の間悪戯はせぬ」
「三日か」
「それでよいか」
「仕方ないのう」
「朝にお粥を盗み食いって」
そう聞いてです、ジョージは言いました。
「この方が項羽さんかな」
「その通りだ」
まさにという返事が青い服の神様から来ました。
「我が名は項籍、字を羽という」
「やっぱりそうですか」
「尚よく項羽と呼ばれるがな」
「羽は字ですね」
「名は籍という、だが誰もがそれがしはな」
「項羽さんとお呼びしますか」
「それが定着したからな」
それでというのです。
「そうなっている」
「そうなんですね」
「だからお主達も項羽と呼んでくれ」
項羽さんはジョージに笑顔で言いました。
「その様にな」
「これまでそうお呼びしていましたし」
「それでだな」
「それじゃあ」
「その様にな」
「では皆の者存分に飲んで食べるのだ」
天帝さんは笑顔で言いました。
「よいな」
「豪勢であるな」
ノーム王は卓の上を満たしているお料理を見て唸りました。
「天帝さんのお食事が」
「これが中国の宮廷料理か」
ドワーフ王も言います。
「天帝さんがいつも食している」
「左様、朕は夕食は」
この時はといいますと。
「こうしたです」
「宮廷料理をか」
「食しています、そして」
そのうえでというのです。
「元気にもです」
「なっておられるか」
「左様です、ですから皆さんも」
「今宵はふんだんに飲んで食べて」
「そのうえで」
さらにというのです。
「元気になられよ」
「それではな」
ノーム王は天帝さんのお言葉に頷きました、そしてです。
皆で楽しく飲んで食べます、お料理は熊の掌に燕の巣にフカヒレを中心としたとても豪勢なもので。
どの人も楽しく飲んで食べました、お酒もありますが。
ノーム王は銀の杯でそのお酒を飲んで言いました。
「うむ、このな」
「お酒もな」
「かなりよい」
「そうだな」
ドワーフ王はノーム王の言葉に頷いて自分も飲みました。
「幾らでも飲める」
「また銀の杯がな」
「これで飲むとな」
「尚更よい」
「杯もよいとな」
「尚更じゃ」
「いや、このな」
ノーム王はさらに飲みつつ言いました。
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