第三十六話 隻眼その十三
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「是非ね」
「それがいいね」
「だからね」
それでというのだ。
「私もね」
「残った目をだね」
「使ってもらうから」
昴流、彼にというのだ。
「牙ちゃんが手伝ってくれるならね」
「それならだね」
「嬉しいから」
だからだというのだ。
「お願いね」
「やらせてもらうよ」
これが牙暁の返事だった。
「是非ね」
「動いてくれるのね」
「必ずね、僕は地の龍だけれど」
「天の龍にもよね」
「出来ることならね」
「助けてくれるのね」
「僕は皆が生き残ってくれたら」
この戦いでというのだ。
「それでね」
「いいのよね」
「そう考えているから」
だからだというのだ。
「彼についても」
「動いてくれるのね」
「そうさせてもらうよ。ただ手術は」
昴流の右目のそれはというと。
「戦いの後になるよ」
「そうね、戦いが終わってね」
北斗もそれはと応えた。
「そうしてね」
「それからだよ」
「落ち着いて」
「それからになるよ」
「戦いは行われる時間自体は短いからね」
天の龍と地の龍のそれはというのだ。
「もうはじまってるし」
「期間としてはね」
「ちょっとよね」
「短いよ」
こう北斗に言った。
「だからね」
「戦いが終わるまでは移植をお願いしても」
「間に合わないよ」
「そうよね」
「けれど戦いが終わる頃にはね」
「手術出来る準備が整って」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「目をね」
「手術出来るね、昴流ちゃん」
「そのうえでまた見える様になるよ」
昴流の右目はというのだ、牙暁は暖かさが感じられる声それに表情で北斗に対して語っていった。そこには悪意は微塵もなかった。
「必ずね」
「私の目で」
「そうなるよ」
「そうなればいいわ」
北斗は明るい笑顔で言い切った。
「私もね」
「そうだね」
「それじゃあね」
「うん、お願いを受けたから」
「動いてくれるのね」
「庚に話しておくよ」
夢の中でというのだ。
「そうさせてもらうよ」
「宜しくね」
「僕は君の友達だから」
ここでだ、牙暁はこうも言った。
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