暁 〜小説投稿サイト〜
最期の祈り(Fate/Zero)
崩れ去る虚構の現実
[5/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

「言峰……?残念ながら私はそのような名前は持ち合わせてございませんが」
「そう、なのか?」
若干、落ち着きを取り戻す切嗣。
「はい、私の名前はジョージ・ナカタと申します」
「やはりお前は僕の敵だ!!」
思わず後ずさってしまうが
「ナカタさん、麻婆豆腐2つね」
「シャルル!?」
逃げ道を完全に塞がれる。
「オーダー、麻婆豆腐激辛2つ!」
「待て、僕は食べる何て一言も」
反論虚しく、シャルルに椅子に拘束される切嗣。
「待て、何で普通に椅子に拘束具が付いているんだ!?どう考えても可笑しいだろこの店!?」
そこには、嘗てのクールな切嗣の面影は無い。
何やら厨房から声が聴こえてくる。
「最っ高にCooooooolだよ、旦那ぁ!」
「辛さとは常に鮮度が求められるのですよ、龍之介〜!!」
「ふっ、これも愉悦の一つのあり方」
……本当に大丈夫か、この店?
「逃げよう、シャルル!今ならまだ間に合う!」
訴える切嗣の目は本気だ。在る意味、原初の地獄を味わうことになるのだから。
「え〜、折角ここまで来たのに」
一方のシャルルの目は子供の様に輝いている。
「いや、しかし……」
そうこうしている内にやって来た。麻婆豆腐(地獄への片道切符)が。
神への感謝を済ませると、シャルルは麻婆豆腐を掻き込み始めた。
「ば、馬鹿な……」
シャルルは顔色一つ変えずに麻婆豆腐を食べている。
「信じられないか?」
いつの間にか隣にジョージ・ナカタが立っていた。
「私ですら、汗をかくあの麻婆豆腐を顔色一つ食べるだけの精神力……ISのパイロットとしつ終わらせるには惜しい才能だ」
「いや、そこは一生土の中に埋めておこうよ!?」
「アレは、3年前の事だ」
「いや、別に聞きたくないし喋らなくていいよ!」
何か唐突に語りだした。
「その日は夜も遅く、雨も降っていたのでそろそろ店を閉めようと思っていたところだ」
「だから、聞く気は無いと……」
第一、本人の前で昔の話を聞くなど……
「お願い、切嗣。聞いて頂戴」
「シャルル……」
いつの間にか、麻婆豆腐を食べ終わっていたシャルルは(※注、3人前です)切嗣の目をじっと見て言う。
そのただならぬ雰囲気に押し流され、改めてジョージ・ナカタの声に耳を傾ける。
「ふむ、では続けるぞ」
それにしてもこのジョージ、のりのりである。
「そんな寂しい夜に、一人の客が入ってきた。言わなくとも察しはつくな?」
話の流れからして、シャルルで間違いないだろう。
「その客は、ただ静かに泣いていた。何があったかは解らなかったが、恐らく何か辛いことでもあったのだろう。私は何も聞かずその子を椅子に座らせて……」
成る程、前の世界でも神父をやっていただけあって、この言峰(偽)は人格面は出来ているの……
「麻
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ