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最期の祈り(Fate/Zero)
邂逅
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い。
多少、辿々しくはあるがフランス語で喋りかける。
「うん。僕がシャルルだよ。君が切嗣君?」
意外というか、まぁ日本に来るのだから日本語が出来て当然なのだが、相手は普通に日本語を喋った。
……下手なフランス語を話すよりも、普通に日本語に喋り直した方がいいな。
「ああ。宜しく、シャルル」
「うん。此方こそ宜しく」
自然と握手を交わす。
瞬間、光が襲ってきた。
「な、何?」
思わず目を瞑るシャルルに代わり、そちらに視線を向けると……
「あ、こっち向いた!!」
自分達が大勢の人に囲まれているのを見た。……主に女性。
思わず肩を落とし、プラカードを見て嫌な予感に包まれる。
「衛宮切嗣」は今や世界規模で知られている。男性のISパイロットとして。ならば、目の前に居る人物は?3番目の「男性」適合者。その2人が握手を交わしている。ここまではいい。というか、ここで終わってくれ!何で、全員が全員漏れなく鼻血を垂らしているんだ!?
「一旦離れるよ!」
言うな否や、切嗣はシャルルの肩を――非常に不本意ながら――抱くようにその場を後にした。
……余りの状況で、気付く余裕は無かった。切嗣が肩に手を触れた時、「彼女」の顔が赤かった事を。彼の肌の柔らかさが、むしろ女性特有のものだということを……

腐女……好奇心旺盛な女性達から逃げ切った二人は今、近くのカフェで軽い食事をとっていた。
「それにしても、すまないね。急に迎えに来て貰って」
「ふふっ、大丈夫だよ。僕も特に予定は無かったし」
シャルルが食べているのは、野菜を中心に挟んだサンドウィッチと紅茶……何気にイギリスからの輸入品である。対する切嗣は肉を中心にしたモノとコーヒー。
本来ならハンバーガーと言いたかったが、生憎と置いてなかった。
「はは……それにしても、日本語上手いね。いつから習っているんだい?」
「う〜ん、結構前から。そう言う切嗣もフランス語喋れてるじゃない」
……心なしか、年齢も対照的に見える。天真爛漫なシャルルに対し、老け顔の切嗣。老人と孫と言っても何となく理解できそうである。
「へ〜、他にもドイツ語とクイーンズイングリッシュもいけるんだ」
「むしろ、そちらの方が得意なんだけどね」
一応切嗣は他にも簡単なものなら、中国語と中東のポピュラーな言語も幾つか喋られる。前の世界でも、武器を調達するためにある程度の語学は必要だった。だが最も得意な言語は何だと問われれば、迷わず日本語、ドイツ語、クイーンズイングリッシュが挙がる。日本語はいわずがもがもな、ドイツ語はアインツベルンで過ごした日々の名残で喋られる。……最も、アインツベルンが何百年も引きこもっていたので妙に古臭いが。クイーンズイングリッシュは使えなければ魔術師としての終了のお知らせがなる。イギリスに本部が在るのに、喋れ
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