暁 〜小説投稿サイト〜
最期の祈り(Fate/Zero)
邂逅
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
にね)
遂にデカルト以来の二元論から脱け出せたと、一人ガッツポーズをとって嫌になる。そんな事、悟ることが出来ても嬉しくない。彼は……彼女はありのままの自分――シャルロットとして死にたい。ただそれだけだ。
だからこそ、
「未だ、死ねない」
そう、今は死ぬわけにはいかない。シャルル・デュノアではない、シャルロットを取り戻すまでは終わる事は出来なかった。
……取り戻すためなら、どんな無茶でもやってのける覚悟があった。例えそれが、男装をしIS学園の男性、特に衛宮切嗣に近付くというモノでもあっても。
一度、公園のブランコを揺らしてみた。やはり、なるのは不快な音。
……ポトと雨まで降ってきた。
(本当に泣き出したよ)
腕の時計を見やると、もう夕方の7時に差し掛かろうとしていた。
最後に公園を睨み付けるとシャルル・デュノアはその場を後にした。
早く行かないと、社長(父親)を待たせてしまう。

……

「……は?」
あれから1時間後、シャルルはデュノア社の社長室にいた。
「何度も言わせるな。お前の監視すべき対象、衛宮切嗣が急遽此方に来ることになった」
この部屋の主と思われる人物の声はどこまでも冷たい。
「さっき、学園の方に話を付けておいた。今から約二週間シャルル・デュノアとして衛宮切嗣の案内役をしろ」
唐突にも程があるだろう。当初の予定では彼とのファーストコンタクトはもっと先、少なくとも日本になるはずだった。いろいろ言いたいことはあったが、敢えて全てを呑み込んだ。
「解りました。彼は今どこに?」
何にせよ、都合が良いことは確かだ。この男の手のひらで踊るのは癪だが、目的が達成できるならお釣りがくる。
「対象は後、1時間程で航空に付く。直ぐに支度をして迎えに行け。あとこれが衛宮切嗣の写真だ」
そう言い、封筒を投げ渡す。シャルルはその場で中身を改めて一枚の写真を確認する。そして
「……?」
よく解らない感情を覚えた。恋では無い……と思う。
結局、後に続く父の話を聞くためその疑問は放置された。
――――――――――――――――――――――――
空港のゲートを出ると、まず最初に切嗣はプラカードを探した。千冬の話によれば、近々日本に来る代表候補生が出迎えに来てくれているという話だった。程無く、それとおぼしき物を見つけた。でかでかと「衛宮切継」と書いてある。
「継じゃなくて嗣なんだけどな……」
常用漢字じゃないから仕方無いと言えば仕方無いが。
とりあえず、そこに近付く。すると先方も気付いたのか此方に歩いてきた。プラカードの持ち主は、顔立ちは非常に整った顔立ちをしていた。……それと同時に言い様の無い嫌な予感が過った。
「君が、織斑先生の、言っていた、シャルル・デュノア君かい?」
だが、予感は予感。そんな物を考えるのは後でい
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ