第一章
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彭侯
市川仁美金髪おかっぱの奥二重の小さ目の瞳と細い眉と小さな口で巨乳に一五五位の背の彼女はクラスメイトの堀江葵癖のある黒髪をツインテールにしている、あどけない感じの大きな二重の目でやや吊り上がった小さな眉。唇はピンクで小さく背は一五〇位で胸は結構ある彼女に言った。
「大阪って古い木あるかしら」
「そりゃあるでしょ」
葵はこう返した、二人共上は白い半袖のブラウスで仁美は青と白のタートンチェックのミニスカート、葵は濃紺のミニスカートである。二人は八条学園中等部の三年生で大阪から神戸のその学校に通っているのだ。二人は今は葵の自宅である玉造のマンションの彼女の部屋で話している。尚仁美も同じマンションに住んでいる。
「大阪だって」
「そうなのね」
「それなりに歴史長いし」
「豊臣秀吉さん以前から」
「だからね」
それでというのだ。
「古い木もあるでしょ」
「そうなのね」
「そりゃ大坂の陣があって」
豊臣家が滅んだこの戦いがというのだ。
「空襲もあったけれど」
「歴史が長いから」
「何処かにね」
「古い木があるのね」
「仁美ちゃんが言う古い木ってあれでしょ」
葵は学校帰りの制服姿のまま自分と同じく学校帰りの仁美に言った。
「何百年位の」
「出来れば千年位のね」
「それなら神社とか茶臼山に行ったらね」
「あるかしら」
「あるでしょ、大阪って水の都っていうけれど」
俗にそう呼ばれている。
「けれどね」
「それでもなのね」
「木だって多いし」
「そういえばね」
ここで仁美はこう言った。
「織田作さん木の都って作品書いてたわね」
「大阪生まれの作家さんね」
「あの人がね」
「じゃあ木も多いってことね」
葵は仁美のその話を聞いて頷いた。
「それじゃあ」
「それで木が多いなら」
「古い木だってあるでしょ、何ならね」
葵は仁美に言った。
「ここからちょっと行ったら神社もお寺もあるし」
「四天王寺とか」
「そう、自転車で上本町に行ったら」
それこそというのだ。
「お寺一杯ある場所行けるでしょ」
「そうよね」
仁美もそれはと頷いた。
「茶臼山だってね」
「大阪は自転車に乗れば」
それこそとだ、葵はまた言った。
「市内だと何処でもね」
「すぐに行けるわね」
「ここから難波だって梅田だってね」
「自転車で行けるし」
「まあどっちも自転車で行って回るには向いてないけれど」
歩行者天国と言っていい繁華街でだ。
「そうだけれどね」
「それでも行けることは行けるわね」
「大阪城だって」
木が多いこの城の辺りもというのだ。
「行けるわよ」
「そうよね」
仁美もそれはと頷いた。
「あそこも」
「まあ兎に角木の
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