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仮面ライダーAP
夜戦編 蒼き女豹と仮面の狙撃手 第7話
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 ――同時刻。アメリカ合衆国のノースカロライナ州に位置する大規模研究施設「ニノマエラボ」。人里から遠く離れたその研究所で暮らす1人の美少女は、愉悦に満ちた笑みを浮かべて一つのモニターと向き合っていた。

「……ふふっ」

 そこには斎藤が見ていたものと同じ、シャドーフォートレス島の状況を映した映像が流されている。白衣を羽織り、メカニカルな車椅子に腰掛けたその美少女は、悪戯が成功した子供のような微笑を零していた。薄暗い研究室の中で輝くモニターの発光が、掴みどころのない妖艶な美貌を映し出している。

「この手の『イタズラ』で遊んだのは久しぶりだねぇ……。斎藤空幻も今頃、私の干渉(ハッキング)に気付いた頃かな?」

 彼女の名は一光(にのまえひかる)。この研究所の所長にして、全72機ものジャスティアドライバーを開発した若き天才科学者であった。彼女が斎藤のコンピュータを一時的に乗っ取り、シャドーフォートレス島のセキュリティシステムに干渉していたのだ。

 自分の存在を追跡出来なくするプログラムを組んだ上でのハッキングだったが、斉藤ならば自分の干渉にも勘付いているだろう。そこまで看破した上で、光はニヤニヤと厭らしい笑みを浮かべている。それが分かったところで、この如何ともし難い実力の差はどうにもならないだろう? と言わんばかりに。

「それにしても、あの元捜査官……確か、真凛・S・スチュワートと言ったかな。なかなか見所があるじゃないか。どうやら、彼女に一泡吹かせたくて堪らなかったようだが……ふふっ、泡を吹いたのは自分の方だったようだねぇ。斎藤空幻」

 そして光の興味は今、シャドーフォートレス島の最深部を目指す真凛に移っていた。ノバシェード対策室の元特務捜査官であり、対策室から除名された後も独自にノバシェードを追い続けている女探偵。そんな酔狂な女傑の動向を、ハッキングした監視カメラの映像で観測している光は、目を細めて薄ら笑いを浮かべていた。

(……水場の多いシャドーフォートレス島の内部を、これほど澱みなく進んで行ける潜入技能。水陸両用の42番機(ウェペル)を任せる適合者候補としては、理想的な人材かも知れないねぇ……)

 機雷が大量に撒かれている島周辺の海中を、人魚の如く鮮やかに潜り抜け、単独で要塞内部の奥地にまで潜入するという卓越した身体能力。その技能は、光が開発したジャスティアタイプの一つ――「仮面ライダーウェペル」の適合者に相応しいものであった。しかし、そんな彼女の隣に立つ「側近」は、訝しげな面持ちで真凛の姿を観察している。

「……確かに、彼女の技能には利用価値があるかも知れません。が、度重なる命令違反によって対策室から追放された問題人物です。……正直言って、お勧めしませんよ」
「ふふっ、それくらいの方がどんな
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