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八条学園騒動記
第七百十八話 多くの鳥達その五

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「同じだ」
「そうなのですか」
「実はだ」
 大尉はこう前置きして話した。
「カトリックは連合とエウロパでは言うことが違う」
「そうなのですか」
「根幹は同じだが」
 教義のそれはというのだ。
「しかしな」
「そうしたところがですか」
「全く違うのだ」
「カトリックでもですね」
「如何に宗派が同じでもな」
 それでもというのだ。
「場所が違うとな」
「信仰のもですね」
「細部が違っていてだ」
「連合のカトリックはそうですね」
「普通に他の宗教の聖職者と仲がいいのは同じだが」
 エウロパと、というのだ。
「連合では尚更だ」
「仲がよく」
「一緒にボランティアをすることもな」
 そうしたこともというのだ。
「非常に多い」
「そうなのですね」
「連合の宗教対立といえばな」
「この国にもありますか、それが」
「それぞれの宗教宗派の論争をしてな」
 そしてというのだ。
「お互いに感情的になり喧嘩になる」
「その程度ですか」
「飲んでいるならな」 
 酒をというのだ。
「ついついな」
「ああ、殴り合いにもですか」
「なるそうだがな」
「その程度ですか」
「殺し合いの武器を持っただ」
 そうしたというのだ。
「十字軍の様なことはだ」
「ないですね」
「連合ではな」
「平和ですね」
「そう言っていいな、連合は宗教についてはな」
「平和ですね」
「政治にも関わらない」
 これもないというのだ。
「連合では基本な」
「政教分離ですね」
「それも出来ている、政治が宗教に関わるのではない」
 二次大戦後の日本では政教分離はそれが問題になるから行われると考えられていた、国家権力を悪とみなす考えからのことだ。
「問題はな」
「逆ですね」
「宗教が政治に関わることがな」
 その方がというのだ。
「問題なのだ」
「若し特定の宗教が政治に介入しますと」
「その宗教の思うままだ」
「政治は」
「事実そうなっていた」
 大尉は厳しい声で語った。
「かつてはな」
「そのカトリックですね」
「ローマ=カトリック教会が絶大な権力を持っていた頃はな」
「中世ですね」
「教皇の言うままにだ」
「あらゆる国の政治が動くふしがありましたね」
「そうなっていた、だからな」
 そうした歴史もあってというのだ。
「宗教がだ」
「政治に関わる方が問題ですね」
「そして連合ではな」 
「そうしたことがですね」
「ない、このこともだ」
「特徴ですね」
「それぞれの宗教団体が友好関係にありな」
 それと共にというのだ。
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