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木の葉詰め合わせ
本編番外編
入れ替わりシリーズ
入れ替わりの話・完
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お三方の間でおかしな事が起こっているのは疑いない様です!!」
「あ、はい。信じていただけた様で何よりです」

 普段の私達なら絶対にあり得ない、千手柱間とうずまきミトの今にも殺し合いにも発展しそうな殺気の飛ばし合いに、山中殿が泡食った勢いで私(されど外見はマダラ)にしがみつく。
 薄い縹色の瞳には兎に角この訳の分からない状態からの解放を求めていた。安心して下さい、私も同じです。

「あー、はいはい。お互いに言いたい事は分かるから、そこらへんで一時休戦。ミト、悪いけど山中殿にお茶でも差し上げてくれないかな?」
「…………柱間様が、そう仰るなら仕方ありませんね」

 ふぅ、と高貴な雰囲気漂う溜め息を一つ零したミト。いやー、中身が違うと外見もまた違って見えるなぁ。
 慣れ親しんだ色気の欠片も無い私の体だが、曲り形にも女性の端くれであるだけあって、立派な貴婦人に見えるから驚きだ――私の妹、超凄い。

「――――女性にしか、見えませんね……」
「ああ、まあ、中身があの子だからね」

 感心した様な物言いの山中殿に苦い表情を浮かべて返す。
 その内私の性別も公開した方が良いのかなぁ……? けど何か色々と面倒そうだし、このままでもいいんじゃないだろうか。

「――って、不機嫌そうだな。どうしたマダラ?」
「別に、何でも無い」

 喧嘩相手のミトが立ち去った後を気難しそうな顔で睨んでいる同盟者殿に声をかけてみれば、如何にも不機嫌ですと言わんばかりの声音で返される。何でもないって言う表情じゃないくせに、全く。

「マダラ、ちょっと……」

 山中殿から少し離れて、マダラへと手招きすれば素直に歩み寄って来る。
 そう言えばいつもは目線が殆ど同じ位置にあるのに、今は下にあるということに初めて気付いた。

「……何か言いたそうだけど、そんなに信じられないか?」
「この、ウスラトンカチ」

 ギロリ、と灰鼠色の双眸が私を射抜く。相変わらず、眼力凄いな。

「……貴様の弟ならば兎も角、何故山中の当主などにこの事を明かした? 今の状態がどんなに危ういものなのか、分かっていない貴様ではあるまい」
「まあ、理由は色々あるけど……。そんなに心配するな、山中殿は信頼に値する人物だよ」
「他家と組まねばやっていけない弱小一族だぞ? この情報を手に自分達が今後有利に動く様に他里に働きかけるともしれないのに? 相変わらずの楽観主義者だな」
「お前は本当に悲観主義者だねぇ……」

 油断無く横椅子の上で悄然と肩を落としている山中殿へと向ける眼差しの厳しさに、物悲しさを覚える。
 同盟を結んで、木の葉の仲間として遇される様になっていてもこの同盟者の内心に巣くっている同盟のメンバーへの不信はかなり根深い。
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