1st Episode 白銀の断罪者
少女との出会い
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んだけど聞きたい事があるのよ」
とお姉さんが言ってくる
「貴方、こいつが戦ってる所見たの?」
戦っている所?
「えーと……」
思い出してみる
「あ……」
隣に座る銀髪の人
その先にありえない状態になって倒れている人
「見ちゃったのね…」
顔を青くしていたのだろう、その状態から察された
「あ、あの、見てはいけないものだったんですか?」
「まぁ、あんたのこの後が決まったとだけは」
と言うと真面目な顔になる
「残念ながら見られた以上消す位しかないのよ」
消す?
私を?
何で?
「こいつが人を殺した、そう通報されるのは困るの。こいつ今噂の【断罪者】だから」
「……」
空いた口が塞がらない
そんな言葉は今の状況を言うのだろう
隣の人が正義の味方とか大量殺戮の犯罪者とか言われているあの【断罪者】
信じられなかった
でも同時に好機だと思った
「だから」
「お願いがあります!」
お姉さんの言葉を遮って【断罪者】さんに言う
「私を鍛えてください!」
「……」
無言
何も言われない
肯定とも否定とも
「理由が知りたい」
そう思っていると声をかけられた
理由…
「私には兄が居ました。優しくて頼りになるそんな兄が。でもその兄もつい先日あった事件で犯罪者によって殺されました」
「復讐…か……」
呟きを首を横に振って否定する
「兄が死んだのもショックですがどこか覚悟はしていました。管理局員なのだから死ぬような事件に出動することになっても仕方ない…と。けど」
「…」
「けどあの兄さんの上司の言葉が、兄が無能だ無意味だっていう言葉が許せないんです!だから認めさせたい。兄さんの、ランスターの弾丸は無意味じゃないって!兄の魔法は役立たずじゃないって!」
叫ぶように言う
お願い!
そう心の中で願う
「そんな理由なら却下だ」
あ…
いとも簡単に却下される
「言っておくがそんな理由じゃ強くはなれない。今のお前はその強迫観念に縛られているだけだ、そんな理由で戦えばいつか死ぬか誰かを殺す」
「……」
確かに
ついそう思ってしまうほど胸に響いた
「自分の戦う理由を見つけろ、そうすれば鍛えてやらんこともない」
戦う理由?
私が?
何の力も持っていないのに?
とりあえず考えてみる
すると突然兄さんと出かけた時のことが思い出される
兄さんが笑顔で何かを見る
その視線を追うようにそちらを見ると
笑顔で楽しそうに過ごす家族の姿が
その家族と兄さんの笑顔は今
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