第二章
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自分達も向かう、すると瓦礫や倒壊した家の中から。
「こっちです」
「助けて下さい」
「子供がいます」
「わかりました!」
実松達は助けを求める声に応えた、そうしてだった。
スコップやシャベルにだった。
持って来た重機まで用いてだった、瓦礫をどけていき。
次々に人々を助け出していった、一人一人確実に。
実松はある子供を救い出した、その子はまだ小学一年位の男の子だったが。
自分の目の前に立っている犬を見てだ、泣きながら言った。
「この子が瓦礫の間から見えたんだ」
「そうだったんだね」
「うん、それでね」
自分と同じく助け出された両親と共に犬を見つつ実松に話した。
「鳴いてくれたんだ」
「それでだよ」
実松は男の子に優しい声で応えた。
「おじさん達も気付いてね」
「僕もお父さんもお母さんも助けてくれたんだ」
「そうだよ」
「タマだって」
見れば足下には白い猫もいる、かなり汚れているが無事である。
「助けてくれたんだね」
「そうだよ」
「ニャ〜〜〜・・・・・・」
「そうなんだね、犬がね」
男の子はこうも言った。
「僕達皆を助けてくれたんだ」
「見付けてくれてね」
「有り難う、天使だね」
笑顔でだ、男の子はこうも言った。
「僕達を助けてくれた」
「そうなるね」
実松も否定しなかった。
「おじさん達も犬が見付けてくれたなかったらね」
「僕達を助けられなかったんだ」
「そうだったかも知れないからね」
「犬が見付けてくれて」
男の子は犬を見つつ言った。
「おじさん達が助け出してくれたんだ、本当に有り難う」
「お礼はいいよ」
実松は微笑んで応えた。
「これがおじさん達の仕事だからね」
「だからなんだ」
「そう、当然のことをしているだけだからね」
自衛官、国民を守り助けることが仕事であるからだというのだ。
「お礼はね」
「いいんだ」
「助かってよかったよ、皆がね」
実松は優しい笑顔で応えた、そうしてだった。
一家と愛猫を部下達に任せ自分は別の部下達と犬達を連れて救助活動を再開した、犬達はさらにだった。
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