大親友
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悲痛の呻きが聞こえてくる。
「お、お父さん! 確かに王妃陛下に対しての不敬は許されない事ですし、我がラインハット王家は深く謝罪を致します。で、ですが……彼の者もナンパ相手が外国の王妃であるとは知らなかった訳ですし、ナンパ作法が無粋だったとしても、それを持って国際問題へと発展させるのは些か度が過ぎると言わざるを得ません。何卒ここは穏便に解決させましょう」
うん。
流石は僕の娘。
嫁いだ先の家を守る為に、最大限に尽力するその姿……感動するね。
「そうだね。今の状況は全部個人的な問題だよね……ところで話は変わるんだけどぉ、僕の国の学校で新楽器の単位修得試験があるんだよね。人前で……しかもお偉いさん等の前で演奏しても上手く出来るかを知りたいんだよね。君たち何処かに知ってる王族居ない? 完全に個人的用件だから、僕との個人的な繋がりを気にしている者でいいよ。是非とも紹介してくれよ」
「あのリュカさん。僕と兄上が是非ともその試験の審査に協力したいのですが」
「あ、あぁ……俺達大親友だろ! 是非ともお前の為に協力させてくれないか!」
「ええ、良いの!? 二人とも忙しいんじゃないのぉ?」
「水臭い事を言うな。大親友の為に時間を空けるさ!」
「助かるぅ〜。じゃぁ来週にでも、もっと細かい日程をお知らせするよ」
良い感じで話が纏まりつつある。少しだけ和やかムードになった。
「しかし不思議だなぁ……」
「な、何がだ……?」
まだ警戒を解かないヘンリーは恐る恐る聞き返す。
「少なくともさぁ、ラインハット国内の貴族等には晴れの舞台で家名に傷を付けた事は周知されてるんだろ? なのに何で四男は勘当されてないわけ?」
「いや、既に勘当されてるぞ」
「だとしたら大問題だよ。だってその後に平気で『ネル子爵家』を名乗ってるんだろ。ダメだろう……放置しちゃぁ」
「ま、待って下さいお父さん! 私達ラインハット王家もネル子爵家も放置などしておりませんわ! シスター・フレアの件もお母さんの件も、まだ四男が勘当前の出来事ですわ!」
あぁ……
なんて優秀な娘なんだろうかポピーは。
嫁いだ先の家を守る為に、あんな見え透いた嘘を言うなんて(笑)
「なるほどねぇ。実は昨晩の事なんだけど……僕の義理の娘であるアルルが、とある事件に遭いましてね。今日の本題は実はそこなんだ」
「「……………」」
「と、とある事件……とは?」
先程までの和やかムードからはトーンを落とし、重い口調で発せられる俺の言葉に一同の胃が締め付けられる音が聞こえる気がする(笑)
それでも力を振り絞った大親友だけが訊ねてくれた。
「丁度昨日から息子夫婦は休暇に入っていてね、朝方から母方の祖父の家に旅行へ行ってるんだよ。あそこの露天風呂
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