第百十七話 お巡りさんの名前その八
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「そうなったけれどな」
「人はそこからも成長しますね」
「ああ、汚れちまった悲しみからもな」
まさにそれからもというのだ。
「学ぶんだよ」
「そうしたものですね」
「痛い目も見るんだよ」
「生きていると」
「間違ったこと、悪いこともしてな」
生きているうちにというのだ。
「そうもしてな」
「怒られたり報いを受けて」
「そこから反省してな」
「成長するんですね」
「そうしたこともあるんだよ」
人減はというのだ。
「そしてそれがな」
「人生ですね」
「そうさ」
咲にその人生を見つつ話した。
「それが出来てないと本当に爺婆になってもだよ」
「子供のままですね」
「番長って言われてな」
具体的な例をだ、マスターはここで話した。
「マスコミに変に持て囃されてな」
「あの元プロ野球選手ですね」
咲は番長と聞いた時点でわかって応えた。
「何かと酷いですよね」
「ああ、それで変に調子に乗ってな」
「碌なことしてこなくて」
「あんなのになる場合もな」
「あるんですね」
「あいつは巨人に入ってからまともな経験してこなかったからな」
その人生においてだ。
「ああなったんだ、汚れちまった悲しみとかな」
「あの人にはわからないですね」
「そうしたことがわかりにもある程度の知能と教養が必要なんだ」
そうしたものがというのだ。
「そのどちらもな」
「あの人にはないですね」
「ある様に思えないだろ」
「絶対に」
咲も言い切った。
「ないですね」
「悪太郎って呼ばれてな」
今度はこの輩のことを話した。
「やっぱりマスコミに持て囃されてな」
「そのままですか」
「歳だけ取ってな」
そうなってというのだ。
「ただ現役時代の実績だけ凄くてだよ」
「エースだったから」
「それでも人生の勉強も野球理論とかもな」
「全く学んでこなくて」
「本当に悪太郎のままな」
十代の頃のままというのだ。
「爺になったのがあいつだよ」
「ファンの人達からもかなり嫌われてますね」
「ああなったら終わりだよ」
人減としてとだ、マスターも言い切った。巨人史上最低最悪の称号は伊達ではないということであるのだ。
「本当にな」
「間違ったこと、悪いことをしてもですね」
「そこからちゃんと経験を積んでな」
「それを身に着けないとですね」
「ああなるんだよ」
「番長さんや悪太郎さんみたいに」
「どっちも生き方が顔に出てるな」
マスターはこうも言った。
「人相にな」
「そうですね、そのまま出ていますね」
咲もそれはと答えた。
「悪いことをすることがあっても」
「そこからだよ」
「確かにですね」
「痛い目を見てな」
「経験を積むことですね」
「今言った連中は間
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ