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ドリトル先生の落語
第六幕その九

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「いや、ほんまにです」
「このこともですね」
「感服しました、また教えてもらってええでしょうか」
「はい、お互い時間に都合がつけば」
「その時にですね」
「お話しましょう」
「ほな宜しく頼んます」
「こちらこそ。しかし随分流暢な関西弁ですね」
 先生は春琴さんのこのことに感服して言いました。
「春琴さんの日本語は」
「学生時代に留学してからずっとこっちにいますさかい」
「関西にですね」
「学生時代は神戸にいて」
「今は大阪ですね」
「それで師匠にこう言われたんです」
 春琴さんははきはきとした口調でお話しました。
「頭の中で考える言葉は英語からです」
「日本語にですね」
「変えろと、日本語で落語をするなら」
「頭の中で使う言葉もですね」
「日本語にしろと」
 その様にというのです。
「言われまして」
「それで、ですか」
「実際にそうしてましてもう今では普段もずっとです」
「頭の中で使う言葉はですね」
「関西弁です」 
 日本語のというのです。
「そうなってます」
「それで話すお言葉もですね」
「日本語です」
「そうなんですね」
「はい、そうです」
 そうなっているというのです。
「私は」
「そうですか」
「はい、そして」 
 それにというのです。
「落語もです」
「関西弁ですね」
「そうです、よかったら私の寄席もです」
「それもですか」
「聞いて下さい」
「実はユーチューブで聞いていますが」
「いえ、ナマで」
 笑って言うのでした。
「宜しくです」
「実際の寄席をですね」
「その目で頼みます」
「ではそうさせて頂きます」
 先生もそれはと応えました、こうしたお話を大学の中の喫茶店でしてです。春琴さんは上林さんと一緒に先生に挨拶をして帰りました。
 その後で先生は研究室に戻りましたが喫茶店でも一緒だった動物の皆は読書をしている先生に言いました。
「面白い人だったね」
「落語家らしくね」
「口調も明るくて」
「お笑いのことも真剣に考えていて」
「そうだったね、あの人はいい落語家さんになるよ」
 先生は断言しました。
「今以上にね」
「しかしね」
「凄い関西弁だったね」
 オシツオサレツは二つの頭で思いました。
「流暢でね」
「それではきはきした」
「お嬢様みたいな外見だけれど」
 それでもと言うジップでした。
「中身は完全に大阪の人だったね」
「もう仕草もだったね」 
 ホワイティはそちらのお話をしました。
「大阪の若い娘さんって風だったね」
「気さくで飾らなくて」
 老馬はその仕草を具体的に言いました。
「明るくてね」
「好きな野球チームは阪神タイガースだったしね」
 チーチーはこのことをお話しました。
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