第三十六話 隻眼その二
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「やはりです」
「僕の想像にだね」
「その様にお願いします」
「君は僕の友達で他の地の龍の皆も」
「友達同士ですね」
「だから死なないで欲しいよ」
「僕も牙暁君に死んで欲しくはないです」
星史郎はその本音を述べた。
「決して」
「他の地の龍の皆にもだね」
「そう考えています」
「なら君も」
「そうしたいですよ」
またしてこ本音を述べた。
「僕も」
「それじゃあ」
「ですがそれは運命です」
「運命は変えられるよ」
牙暁はあくまで運命を盾にする星史郎に今彼が至ることが出来たと喜んでいる考えを出して星史郎に話した。
「まだ何も決まっていないから」
「だからですか」
「君も彼も」
二人共というのだ。
「笑顔でいられる未来もあるよ。それに」
「桜塚護はですか」
「表があれば裏もある」
こうも言うのだった。
「その存在も必要だよ」
「これからもですね」
「その意味でも」
「僕は代わりの人はいますよ」
星史郎は達観した笑顔で答えた。
「裏の世界にも」
「そうだというんだ」
「はい、それも幾つかのお家がありまして」
そうしてというのだ。
「その中には桜塚護の様にです」
「先代の人を殺して後を継ぐ」
「そんなことをせずに済んでいる家もです」
「あるというんだね」
「ですから」
それ故にというのだ。
「桜塚護がいなくなってもです」
「いいんだね」
「世の中必要なものにはすぐにです」
それこそというのだ。
「代わりがです」
「来るものなんだ」
「そうしたものですから」
だからだというのだ。
「桜塚護もです」
「いなくなってもいいんだ」
「そう考えています」
「そうなんだね」
「まあ地の龍が勝てば」
星史郎はここで彼等のお題目を出した。
「桜塚護も何もないですね」
「人間が滅ぶからね」
「そうですね、ですから」
「もうこれで」
「桜塚護が終わっても」
そうなってもというのだ。
「いいのです」
「そう言うんだね」
「はい、そしてです」
「そうした考えだね」
「その通りです」
「君はそれでよくても」
それでもとだ、牙暁は星史郎に言うのだった。
「残った人達はどう思うか」
「特に彼はですね」
「うん、考えているよね」
「ええ、ですが乗り越えてくれますよ」
星史郎は爽やかにさえ見える笑顔で述べた。
「きっと」
「そうなるかな」
「はい、地の龍の皆さんもです」
仲間である彼等もというのだ。
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