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子烏を助けて
第一章

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                子烏を助けて
 アンバー=ブラウン南カルフォルニア州で夫のエイハブと共に動物保護区を運営して三十匹位の生きものを保護している彼女のところにだ。
 知人の棒場を経営している人から連絡があった、その連絡はというと。
「馬の桶になの」
「そうなんだ、子烏が落ちてね」
 それでと知人は茶色の短い髪の毛と緑の目のやや太った初老の彼女に話した。
「馬の桶にいるんだ」
「雛ね」
「そうだよ」
 その通りという返事だった。
「だからまだ飛べないし」
「私が保護活動をしているから」
「野生の鳥は迂闊に触れたら駄目だろ」
 知人はアンバーに話した。
「やっぱり」
「ええ」
 その通りという返事だった。
「そのことはね」
「そうだろ、だからな」
 それでというのだ。
「ここはって思ってな」
「ええ、これが私のお仕事だし神から与えられた使命だから」
 アンバーは確かな声で言った。
「今から行かせてもらうわ」
「それじゃあな」
「夫は今手が離せないから」
 夫のケニープロレスラーの様な体格で顎の先に短い髭のある細い黒い目の短いブロンドの髪の毛の夫のことも話した。
「私だけでね」
「やってくれるか」
「そうさせてもらうわ」
 こう話してだった。
 知人の家に行った、するとだった。
 桶の中に雛がいた、その雛は。
「カァ」
「怪我はしているけれど」
「元気だろ」
「ええ、それに」
 ここでアンバーは周りを見て傍にいる知人に話した。
「木の枝に止まって」
「あの雛の両親だよ」
「心配そうね」
「子供がどうなるかってな」
「見守ってるわね」
「そうなんだよ、さっきからな」
「彼等の期待にも応えるわ」
 アンバーは強い声で言った。
「だからね」
「烏の雛をか」
「今から助けるわ」
 こう言ってだった。
 アンバーは雛を保護した、怪我をしているのでまずは地上で治療に専念することにした。それえだった。
「足下に餌を置くんだな」
「それも親鳥達が見える所にね」
 そこにというのだ。
「置いてね」
「親達が来てか」
「一緒に食べる様にしてるの」
「そうなんだな」
「こうしたらね」
 アンバーは知人にその餌をあげつつ話した。
「家族も安心出来るわ」
「子供と一緒にいられてな」
「そして私にもね」 
 保護して餌をあげている、というのだ。
「安心してくれるから」
「メリットが多いな」
「だからね」 
 それでというのだ。
「こうしていくわ、そして怪我が治ったら」
「その時は自然にか」
「戻ってもらうわ、羽ばたいてもらってね」
「じゃあな」
「あと少しこうしていくわ」
 雛の怪我が治るまでとだ、こう言って実際にだった。
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