夜戦編 蒼き女豹と仮面の狙撃手 第3話
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かに靡いていた。ピンと伸び切った白く長い扇情的な美脚が、瑞々しい汗を飛び散らせている。
後ろ回し蹴りを終えて颯爽と着地した瞬間、チャイナドレスの裾がふわりと浮き上がり、Tバックのパンティが深く食い込んだ極上の桃尻が露わになる。その膨らみをはじめとする柔肌からは、淫らな雌の匂いが滲み出ていた。そんな真凛のフェロモンに引き寄せられるように、虫の大群はますます彼女に集まって来る。
「……ッ!」
迫り来るフェイリアγの大群。その無数の針と前脚をかわしながら、爆乳と爆尻をばるんばるんと弾ませ、ひたすら倉庫内を駆け回る真凛。彼女はやがて、倉庫の隅で折り重なっている無数の腐乱死体を発見する。どうやら、この虫達の餌食となった女性兵士達の「成れの果て」であるようだ。
(惨過ぎる……! アイアンザックはミサイルスパルタンのために……斉藤に言われるがまま、こんなことまでッ……!)
女性兵士達の遺体は身体中の体液を吸い尽くされたのか、まるでミイラのように痩せ細っている。フェイリアγの生態について何も知らされないまま、アイアンザックの命令によってこの部屋に送り込まれていた彼女達は、用意していた食事もろとも虫の大群に貪り尽くされてしまったのだ。
「……万死に値するわ」
ミサイルスパルタンの開発に執着していたアイアンザックは、ホークアイザーの預かり知らぬところで、これほどの所業を繰り返していたのである。激しくもがき苦しみながら命を落として行った彼女達の壮絶な死に顔は、その苦痛の凄まじさを如実に物語っている。その凄惨な現場を目の当たりにした真凛は、険しい表情を露わにしていた。
「ごめんなさい、ちょっと借りるわよッ!」
犠牲者達の骸が握っていた自動拳銃――「スプリングフィールドXD」を拾い上げた真凛は、振り向きざまに連続で発砲する。乾いた銃声が倉庫内に響き渡り、何匹もの虫が墜落して行った。だが、同胞達が何匹殺されてもフェイリアγの群れは怯むことなく、真凛に向かって殺到して来る。
「くっ……!」
いかに1匹が雑魚であっても、これでは多勢に無勢。これまで余裕綽々といった佇まいで虫達を翻弄して来た真凛の表情にも、焦燥の色が滲み始めていた。自身の姿を捕捉している真正面の数匹を拳銃で撃ち落とした彼女は、発砲と同時に物陰に飛び込み、残りの大群の視界から一時的に逃れる。
「はぁっ、んはぁっ……! 斉藤も厄介な置き土産を残してくれたわねっ……!」
数に物を言わせて襲い掛かって来る、フェイリアγの大群。斉藤の刺客である彼らの羽音に眉を顰めながら、真凛は淫らに息を荒げながらも物陰から虫達の挙動を観察していた。真凛を見失った彼らは不規則に飛び回り、「極上の獲物」を探し回っている――。
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