夜戦編 蒼き女豹と仮面の狙撃手 第2話
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ていたオルバスも、この後すぐに追撃して仕留めなければならない。そんなホークアイザーとしては、いつまでもターボ達に手こずっているわけには行かない。
その僅かな「焦り」が彼の胸中に滲んだ瞬間――彼の読み通り、茂みから飛び出したGNドライブがダイヤガンナーを連射し始めていた。長い膠着状態を打破するように現れた彼は、素早く地を転がりながら豪快にエネルギー弾を撃ち放つ。自分を狙ってみろ、と言わんばかりに。
「森里君、今だッ!」
「任せておけ、上福沢ッ!」
『CLOCK UP!』
ホークアイザーの狙いを撹乱するように乱れ飛ぶ、エネルギー弾の嵐。その混沌に乗じてベルトのスイッチに触れたタキオンが静寂を破り、閃光の如き疾さで山林の斜面を駆け上がって行く。
だが、タキオンの加速はいつまでも続くものではない。制限時間内に狙撃手を見付けられなければ、撃たれに行くも同然の「博打」なのだ。
(どこだ、どこに居るッ……!)
刻一刻とタイムリミットが迫る中、G-verYが撃たれた位置から遥か先の地点に辿り着いたタキオンは、懸命に周囲を見渡し狙撃手の位置を探る。相手は現役の狙撃兵であり、戦闘のプロ。如何にこちら側の能力が優れているとしても、簡単に勝てる相手ではない。
「……ッ!?」
やがて、タイムリミットが残り2秒を切った瞬間。突如島の岸壁が崩壊し、激しい爆炎が噴き出して来る。今現在、要塞内部で繰り広げられているオルバスとミサイルスパルタンの激闘。その「余波」によって、島の岩壁が内側から吹き飛ばされていたのだ。
(……見付けたぞ。前方約450m、2本の木に挟まれた茂みの奥ッ!)
島の外壁に開いた大穴から噴き出す、猛烈な炎。その獰猛な煌めきが、山林に潜む狙撃銃のスコープを照らし――ついにその反射光が、タキオンの目に留まる。咄嗟に全力で地を蹴ったタキオンは、弾丸の如き速さでホークアイザー目掛けて突進した。
(俺を見付けたか。だが……勝負を急ぐあまり、こちらに直進して来たのが不味かったな……!)
(……!? まさかこの狙撃手、超加速状態の俺が視えてッ……!)
(捉えたぞタキオン、お前の速さも見切ったァッ!)
だが、ホークアイザーの左眼に秘められた超人的な動体視力は、人智を超えた速さに達したタキオンの動きすら把握していたのである。タキオンがホークアイザーを見付けた頃にはすでに、狙撃銃の引き金に指が掛かっていたのだ。
しかもこの瞬間、タキオンはホークアイザーに殴り掛かろうと地を蹴って跳び上がっており、僅かに滞空している。これでは狙われていることに気付いても、左右に避け切ることが出来ない。
『CLOCK OVER!』
「う
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