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仮面ライダーAP
夜戦編 蒼き女豹と仮面の狙撃手 第2話
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を完全には認めていなかったらしい。今は同じ新世代ライダーであるとはいえ、かつては敵同士だったのだ。その過去に纏わる不信感というものは、簡単に拭えるものではないのだろう。
 そんな彼に対しても不遜な態度を隠さないタキオンとの関係は、決して良好とは言えないものであった。犬猿の仲……のようにも見える2人のやり取りに、GNドライブとG-verYはため息を吐いている。感情的になりやすいターボの一面には、2人共普段から手を焼いているのだ。

「やれやれ……君達は相変わらずだねぇ」
「……作戦行動中に私情を挟む言動は謹んでください、本田巡査。そのようなことでは……!? 巡査、危ないッ!」

 だが、次の瞬間。斜面を登った先から襲い掛かって来た「殺気」にハッと顔を上げたG-verYが、咄嗟に後ろに手を伸ばしてターボ達を突き飛ばす。斜面の遥か先から飛んで来た1発の銃弾が、彼女の胸を貫いたのはその直後だった。

「……うぁあっ!」
「水見鳥ッ!? ……うおッ!?」

 G-verYの短い悲鳴と予期せぬ事態に、思わずターボが声を上げる。それから間髪入れず、即座に状況を把握したGNドライブとタキオンが、ターボの首や肩を掴んで近くの茂みに引き摺り込んで行った。彼らはしばらく前から、遙か遠方の狙撃兵(スナイパースパルタン)に狙われていたのである。

「ノバシェードの狙撃か……! しかも、G-verYの装甲を一撃で貫通するほどの威力! どうやら彼ら、かなり強力な弾丸を使っているようだね……!」
「う、うぅっ……! あっ、はぁうっ……!」
「水見鳥! すぐ助けにっ……おい、離せ森里ッ!」
「……阿呆(あほう)、それが奴の狙いだと分からんのか。敢えて急所を外して救助の見込みがあると思わせ、お前のような単細胞を釣り出して始末する。ノバシェードの狙撃兵がよく使う手だ」
「しかも……僕達が今まで見て来た奴らとは比べ物にならない精度だね。恐らく、ノバシェードの戦闘員達にこの戦術を教えた張本人だよ。……はっきり言って、かなり手強い」
「な、なんだと……!? じゃあ、水見鳥をこのまま放ったらかしにするっていうのかよッ! 森里、幸路さんッ……!」

 茂みの中に身を潜めたGNドライブが冷静に前方を観察する中、呻き声を上げているG-verYの救助に向かおうとしているターボの肩を、タキオンがしっかりと捕まえていた。しかしターボは彼らの話を聞かされてもなお、苦悶の声を漏らすG-verYから目を離せずにいる。

「……本田。俺達はここに何をしに来た。全員でノバシェードに勝利し、生きて帰るために来たのではないのか?」
「……っ! だったら……!」
「正信、落ち着くんだ。……僕達は一度も、水見鳥君を見殺しにする……なんてことは言っていないよ」
「幸路さん……!?」
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