夜戦編 蒼き女豹と仮面の狙撃手 第1話
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…だが、少々目立ち過ぎたな。派手な火災のおかげで暗視装置を使うまでもなく、お前の姿がよく見える。俺に死に場所を与えてくれる相手はどうやら……お前ではなかったらしい)
胸部装甲に「SPR-27」と記載されている、青と黒の外骨格。その鎧を纏っていたホークアイザーは鉄仮面を被り、顎部装甲を手動でガシャンと閉鎖する。すると緑色の右眼と赤い左眼が妖しく発光し、全身から蒸気がブシュウと噴き出て来た。腰部に巻かれた、エネルギータンクの役割を持つベルトも眩い電光を放ち、外骨格の「起動」を報せている。
赤い左眼は前方に突き出たスコープ状となっており、ホークアイザーの能力をさらに補強する機能が備わっているようだ。装着前よりもさらに高い倍率でズーム出来るようになった彼の眼は、激しい戦闘を繰り広げているオルバスの姿をハッキリと捉えている。
(仲間を大勢殺ってくれた礼だ。お前のような派手好きには不似合いな、呆気ない死をくれてやる)
背中に装備していた大型狙撃銃を構えたホークアイザーは、左眼でオルバスの動きを観察して風の流れを読みつつ、右眼で狙撃銃のスコープを覗き込む。ホークアイザー自身の技量と改造人間としての能力を活かし、彼はオルバスの頭部に狙いを定めていた。
「……ッ!?」
だが、死に場所を求める孤高の狙撃手は引き金を引くことなく――その場から飛び退いてしまう。彼が身を隠していた茂みに、数本のナイフが飛んで来たのだ。
(奴以外の侵入者が他にもッ……!?)
仮面の内部に搭載されたAI補助機能による索敵能力。その範囲外から投げ込まれた刃に、ホークアイザーは瞠目する。ナイフが飛んで来た方向から即座に「伏兵」の位置を推測した彼は、素早く狙撃銃を構えるが――怪しげな影はそれ以上の疾さで、山林を駆け抜けていた。
だが、その姿は見逃していない。ウェーブが掛かった艶やかな黒髪に、扇情的な青いチャイナドレス。スリットから覗いている白く肉感的な美脚に、ふわりと舞い上がった裾から窺えるTバックのパンティ。そして規格外の大きさを誇る超弩級の爆乳に、細く引き締まった腰つき。むっちりと実った安産型の爆尻。
(あの女、間違いない……! 対策室から除名されたのではなかったのか!? なぜ奴がこの島にッ……!)
ノバシェード対策室きってのエースと恐れられていた、最強の特務捜査官――真凛・S・スチュワート。その存在をノバシェードから知らされていたホークアイザーは、予期せぬ「第3の侵入者」の出現に驚愕していた。
対策室から追放されたという情報はブラフだったのか。それとも、個人的な恨みでこの島に来るほどの狂人だったのか。いずれにせよ、このまま野放しにしておくわけには行かない。彼は素早く標的を切り
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