夜戦編 蒼き女豹と仮面の狙撃手 第1話
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間違いだったようだな」
「おやおや……こんなところを兵に見られては混乱の元になるのでは? 司令官たるもの、大局を見誤ってはなりませんな」
「……その侵入者とやらを片付けたら、直ちに前線の部隊と合流しろ。私の命令は絶対だ……いいな」
「えぇ……もちろんですとも」
いけ好かない存在ではありつつも、その「実力」はアイアンザックも認めているのだろう。彼は忌々しげにホークアイザーを睨み付けながらも2連銃を下ろし、そのまま重々しい足音と共に立ち去って行く。黒マントを靡かせるその後ろ姿を見送った後、ホークアイザーも彼とは真逆の方向へと歩み出していた。
「……奇遇だな、司令。俺も……あんたの存在が昔から気に食わない」
やがて、不敵な笑みを浮かべて本性を露わにした彼は。左眼を覆っていた眼帯を剥ぎ取り、道の端へと投げ捨てながら――通路の先にある出口へと向かって行く。眼帯が外された左眼は妖しい輝きを放っており、その瞳には照準線を想起させる模様が刻まれていた。
◆
「……変わり映えのねぇ戦闘員の群れ。そろそろ飽きたが……付き合ってやるか」
島の海岸線付近に位置する、対空機銃等が設置されているエリア。その地点に降下した仮面ライダーオルバスこと忠義・ウェルフリットはエンジンブレードを手に、迎撃に現れた兵士達を次々と切り捨てていた。燃料タンクへの引火による大火災に飲み込まれた戦場。その地獄絵図に、兵士達の断末魔が轟いている。
(……仮面ライダーオルバス。新世代ライダーの一員であり、ジャスティアタイプの運用も任されている期待のホープか。なるほど、奴の性格にはぴったりのキャンプファイヤーというわけだ)
ホークアイザーが通路から出た先は、その火災現場を観測出来る山の斜面であった。専用の大型狙撃銃を担ぎながら、闇夜の山林へと足を運んだ彼は、双眼鏡の役割を果たしている左眼の能力で、オルバスの戦闘を遠方から観測している。彼が最初に「目視」で発見したヘリコプターは、すでに島から一旦離れてしまったようだ。
通常、狙撃手は観測手との2人1組で行動するものなのだが、彼は旧シェードに改造された左眼の能力により、観測手の役割もある程度こなしながら任務を遂行出来るのだ。左眼だけを改造された元被験者である彼もまた、人間社会に拒絶されこの島に流された「厄介者」の1人なのである。
そして左遷された先でアイアンザックと出会ったことが、彼にとっての最大の「契機」となってしまった。この島に配属された陸軍部隊とノバシェードの癒着を経て「再始動」されたスパルタン計画。その本命であるミサイルスパルタンとは別に「再生産」されたのが、今まさにホークアイザーが装着している旧式外骨格――「スナイパースパルタン」なのだ。
(…
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