敢闘編
第七十一話 勝者のない戦い
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…。
「…ふぅ。ありがとよ」
「作戦目的は果たした。成功だ」
「助かったよ」
「何もしちゃいないさ。各艦隊司令官に通達、だろ?」
「ああ。各艦隊に通達、陣形を再編し、追撃準備を整えよ。追撃は敵がフォルゲン宙域を出る迄とする」
……おや、早速意見具申が来たか…。
”総参謀長、ヴィーレンシュタインに向かっている第九艦隊と連携すれば、敵を叩けるのではないでしょうか“
「パエッタ提督、帝国艦隊は去ろうとしています。我々はアムリッツァ防衛、帝国艦隊の迎撃という任務を果たしたと考えますが提督は如何お考えでしょうか」
“それは…そうですが、敵はまだ健在です。後顧の憂いとなるのではないでしょうか。挟撃のチャンスかと…”
「我々の任務はアムリッツァの防衛です。おそらく敵には二万隻を越える損害を与えたと思います。しばらくは攻めては来ないでしょう。此方にはボーデンにまだ無傷の三個艦隊の味方もいます。それくらいは敵も想像出来ると思いますが…」
“そう…ですな。了解致しました。ご命令通り追撃はフォルゲン宙域内でうち切ります。では”
パエッタめ…随分しおらしくなってたな。最後の敵の一撃が効いたのかな。奴にも流石に帝国艦隊の撤退の意図は理解出来ただろう…敢えて意見具申する事で失点を取り返したかったのかもしれない。ヒルデスハイム艦隊のあの攻撃は誰も予想していなかったからな。だけど誰も予想していなかったとは口が避けても言えない。誰も責めるべきではない、責めてはいけない事もある…。
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