第七百十七話 三つ目の蜥蜴その八
[8]前話 [2]次話
「そのうえでな」
「それぞれの宗教への配慮もですね」
「為されている、だがそれぞれの宗教もかなり変わっている」
大尉はこうも話した。
「例えばゾロアスター教ではかつては蛙を悪魔の使いなどと言ってな」
「蛙をですか」
「見付け次第殺していたが」
「蛙は害虫を食べますが」
「だからいい存在とみなす様になってな」
ゾロアスター教でもというのだ。
「今は有り難い存在としてだ」
「殺さないですか」
「そいなっていて中南米の神々といえば生贄だが」
「人を殺して捧げていましたね」
「心臓等を取ってな」
アステカやインカ等で行っていた、戦争で得た捕虜をそれに用いていて生贄を得る為に戦争を行うこともあった。
「そしてだ」
「生贄にしていましたね」
「時には生贄の亡骸を食べることもだ」
「カニバリズムですね」
その話を聞いてだ、上等兵は瞬時に顔を顰めさせた。
「中南米ではそれも行っていましたか」
「かつてはな。だが生贄なぞだ」
「そして人が人を食べるなぞ」
「今出来るか」
「その筈がないですね」
「だからだ」
その為にというのだ。
「今は中南米の神々の信仰ではだ」
「生贄は捧げられないですね」
「牛や馬を殺してな」
そうしてというのだ。
「神に捧げる」
「そうしていますか」
「野菜や果物や菓子を捧げることもある」
そうしたものもというのだ。
「そしてだ」
「食べるのですね」
「牛や馬もな」
こうした生きもの達もというのだ。
「そうなっている」
「流石に人間は捧げられないですね」
「それぞれの宗教も変わっていてな」
「お互いに配慮し合っていますか」
「そして極端な主張もだ」
それぞれの宗教の教義に基づいたというのだ。
「しなくなっている、その方が生活も楽だしな」
「それぞれの宗教のですね」
「ムスリムでは公の場で豚肉を食べないとな」
「それでよしですね」
「店に入ってもムスリムだと言わず」
そうしてというのだ。
「小声でアッラーに謝ればば」
「それでよしですか」
「そうだしな、ただユダヤ教はな」
この宗教の信者達はというのだ。
「その辺りの主張がだ」
「強いですか」
「だから日本には親子丼もあるが」
「鶏肉とといた卵の丼ですね」
「あれもな」
「鶏肉と卵は親子関係にあるので」
「ユダヤ教徒は食べない」
決してというのだ。
「チーズバーガーもな」
「そうなのですね」
「彼等はそこはな」
こうしたことはというのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ