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神々の塔
第三十六話 円卓の騎士達その十二

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「ここはな」
「衝いてくね」
「そや、それでな」
 リーはさらに言った。
「綾乃ちゃんの八岐大蛇はな」
「闇の瘴気をやね」
「そっちのブレスを吐いてな」
 そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「攻撃するんやね」
「重点的にや」
「闇の瘴気を吐いてもらって」
「攻撃してもらうで」
「ほなね」
 その言葉に頷いてだった。
 綾乃は八岐大蛇、自分を乗せている神具に言った。
「ブレスやけど」
「はい、闇の瘴気ですね」
「それを集中的に用い」
「そしてですね」
「そのうえで、ですね」
「攻撃してな、敵の弱点を衝く」
 それはというのだ。
「戦の常道やしね」
「まさにその通りですね」
「それではです」
「我々もそうします」
「闇の瘴気を吐いていきます」
「一つやなく八つの頭を使えば」
 そうしてブレスを吐けばというのだ。
「どうなるか」
「かなりのものです」
「一つより二つであり」
「それが八つともなりますと」
「かなりや、ほなやってや」
 こう八岐大蛇に言ってだった。
 綾乃は彼に闇の瘴気を吐き出させた、そのうえでケイに集中的に闇の攻撃を浴びせて倒した、それはだった。
 他の円卓の騎士達にもそうしていった、今回の戦では綾乃が八岐大蛇にそうさせたのが次第にメインになってだった。
 仲間達がサポートしフォローして戦っていった、そうしてだった。
「勝ったね」
「ああ、今回は綾乃ちゃんが殊勲や」
 リーは笑顔の綾乃にこう告げた。
「八岐大蛇に闇の瘴気を集中的に使わせてな」
「いや、うちは何もしてへんで」
「殊勲は八岐大蛇かいな」
「そやで」
 あくまでというのだ。
「ほんまに」
「そう言うか」
「ほんまうちは背中におっただけで」
「いや、神具は心があってもな」
 リーはその綾乃にこう返した。
「動かすのは持ち主や」
「そやからなん」
「そや、今回はな」
「八岐大蛇を上手に動かしたうちがなん」
「殊勲」
「そやねんね、ほなお酒たんまり飲ませてや」
「いや、それはいつも飲んでるやろ」
 笑ってだ、リーは綾乃に今度はこう返した。
「お酒は」
「あっ、そやね」
「まあ他のことでな」
「何かしてくれるんやね」
「そやな、勝利を祝う宴の場でな」
 酒以外にもというのだ。
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