第三十六話 円卓の騎士達その十
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「今食べているものもよ」
「そうですか」
「貴方が作った」
「いえ、私はスイーツは専門外でして」
シェフはアレンカールの今の言葉に違うと返した。
「弟が作りました」
「弟さんが」
「はい、弟はパティシェで」
このジャンルの料理人でというのだ。
「それで、です」
「今回のティータイムのスイーツもなの」
「作りました」
「そうなのね」
「それで、です」
あらためて言うのだった。
「そのお言葉は弟にお願いします」
「わかったわ、では弟さんにね」
アレンカールはシェフにあらためて告げた。
「お礼を言わせてもらうわ」
「そうですか」
「素敵なティーセットを有り難うとね」
その様にというのだ。
「お伝えしてね」
「それでは」
「有り難うございます」
ここでその弟らしきシェフと同じ格好料理人のそれの服装の若い男が来た、シェフより幾分背が高い。
「そう言って頂き恐悦至極です」
「貴方が弟さんね」
「左様です」
「素敵な味よ、お陰で最後まで楽しめているわ」
「デザートも」
「ええ、とてもね」
実際にというのだ。
「そうさせてもらっているわ」
「それは何よりです」
「いや、甘いもの食べたら」
綾乃はここでこう言った。
「赤ワイン飲みたくなるわ」
「それは戦が終わったからや」
シェリルはその綾乃に即座に告げた。
「お酒はな」
「その後でやね」
「大事な時の前はな」
どうしてもというのだ。
「やっぱりな」
「あまり飲まんことやね」
「そや」
その通りだというのだ。
「出来る限りな」
「そやね、終わって」
「それからな」
「盛大に飲むことやね」
「それがええ、ほなな」
シェリルはあらためて言った。
「しっかりとな」
「これからやね」
「ゆっくり寝てな」
「体力と気力を回復させて」
「明日戦おうな」
「わかったわ、ほな休もうな」
綾乃はフルーツの中の苺を食べつつ応えた、そうして実際にだった。
この日は十人全員がぐっすりと寝た、そのうえで体力の気力も回復させた。そうしてからであった。
朝食、目玉焼きとトーストを食べてから上の階に登った。そうするとそこには円卓の騎士達がいたが。
一行を代表してだ、ケイが言ってきた。
「おはつにお目にかかる」
「はい、円卓の騎士さん達ですね」
「左様、私はケイであるが」
綾乃に応えて自ら名乗った。
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