第九十六話 ラッキーナンバーその五
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「一でも二でもね」
「どんな数字でも縁起がよかったら」
「それじゃあね」
「言うことないわね」
「そうよね、お父さんのラッキーナンバー多いけれど」
阪神ファンで好きな選手の背番号がそうである父はとだ、一華は昨夜の会話を思い出しつつクラスメイト達に話した。
「それならね」
「いいわね」
「二十二でも四十四でもね」
「十でも十一でも二十三でもね」
「そうよね、ただ十八がね」
この番号がというのだ。
「堀内って思うと」
「ああ、あいつ私嫌いよ」
「私もよ」
「偉そうで口悪いし巨人贔屓で」
「態度も悪いしね」
「あいつ暴力も振るうしね」
一華は堀内のその話もした。
「ロッカーが荒れててなおしてた選手をね」
「殴ったの?」
「どうして荒れてたか訳も聞かずに」
「そうしたの」
「訳も聞かずに怒って」
そうしてとだ、一華は話した。
「後ろからいきなり飛び蹴りよ」
「うわ、最悪」
「お説教して鉄拳制裁でもあれなのに」
「いきなり飛び蹴りって」
「それも背中から」
「そこからね」
飛び蹴りからはじまってというのだ。
「何度も殴ったそうよ」
「余計に最低ね」
「一発だけでもあれなのに」
「何それ最悪じゃない」
「人間として駄目過ぎるわ」
「しかもね」
一華は自分が調べた話をさらに話した。
「ロッカー荒らしたの清原だったけれど」
「あいつならやるわね」
「あいつらしいわ」
「どうせ嫌なことあって暴れたのよね」
「あいつも最低だしね」
「最初に堀内が選手を雨の日にグラウンドで走らせて」
何かしらの懲罰でそうしたという、これもまた体罰の一種であると認識出来ることであろうか。昭和の頃はこうしたことがまかり通っていたのだ。
「自分は球場の中の食堂でお喋りしてたのよ」
「もっと最低ね」
「何処まで最低なのよ堀内」
「いやあ、聞けば聞く程最低ね」
「あいつらしいけれどね」
「それで清原が怒って」
堀内のその行為にだ。
「ロッカーで暴れて」
「川相さんがなおしたのね」
「仕方ないなって感じで」
「そうしたのね」
「そこで堀内が飛び蹴りしたのを」
自分がしたことでもないのにロッカーをなおしていた川相氏をだ。
「後ろからね」
「そんな奴が十八だとね」
「十八が嫌になるわね」
「どうにも」
「そうよね、最低過ぎて」
それでというのだ。
「私もお話聞いてね」
「嫌になるわよね」
「堀内が余計に嫌いになるわね」
「前から嫌な奴だったけれど」
「尚更ね」
「偉そうに言っても」
過去の実績現役時代のそれからだ。
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