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ハッピークローバー
第九十六話 ラッキーナンバーその三

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「チームはああなった、そう考えるとな」
「十八は巨人として考えたら駄目ね」
「ああ、本当にな」
「そうなのね」
「まあ阪神じゃ十八も悪くないけれどな」
 そうした数字だというのだ。
「別にな」
「それはそうね」
 一華もそれは否定しなかった。
「阪神のエースの人って背番号によらないけれど」
「そうだな」
「江夏さんだって二十八だしね」 
 この人から左のエースは二十八というのが日本プロ野球で定着したと言っていいであろうか。一人の実績がそうさせることもあるのだ。
「村山さんも十一で」
「十八じゃないな」
「けれどね」
「十八もいい番号だな」
「そうよね」
「だから阪神だといいんだ」
 十八もというのだ。
「これがな」
「逆に悪い番号ってあるの?」
 ここで一華は父に問うた。
「阪神で考えたら」
「ああ、ないな」
 これが父の返事だった。
「どの番号もそれぞれいいからな」
「いい選手の人達が背負っていたから」
「ああ、けれど永久欠番は別格でな」
 十、十一、二十三はというのだ。
「四十四もな」
「別格ね」
「そうだな、ただ応援するチームによって変わるか」
 ここで父はこうも言った。
「ラッキーナンバーは」
「そうなる?」
「なるな、カープファンの人だとな」
 それならというのだ。
「三と八、十五はな」
「別格なのね」
「この三つが永久欠番だからな」
 このチームではというのだ。
「そうなるな」
「三と八、十五ね」
「三は衣笠さんでな」
 現役時代鉄人と言われた不屈の人物であった。
「八は山本さんだ」
「ミスター赤ヘルね」
「それで十五が黒田さんだな」
「三人共凄い人だったわね」
「ああ、だからな」
「カープだとこの三つの番号がラッキーナンバーね」
「ああ、それで二十とかになるな」
 こう娘に話した。
「多分な」
「そうなるの」
「あそこのファンも思い入れが強いからな」
「阪神ファンと一緒で」
「だからな」
「番号についての思い入れも強いのね」
「そうだな、それで銭湯行ってもな」
 そうした時もというのだ。
「下駄箱の札とかあるだろ」
「ロッカーの数字とか?」
「あれで一桁や二桁だとな」
 そうした番号の場合はというのだ。
「好きなチームによってな」
「ラッキーナンバー違うのね」
「けれどラッキーナンバーが出たらな」
「それぞれの」
「それだけで何か出来ると思うし出来たらな」
 それならというのだ。
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