第九十六話 ラッキーナンバーその二
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「同じだぞ」
「ラッキーナンバーね」
「他にもな」
それこそというのだ。
「いい数字は多いしな」
「例えば?」
「五は新庄さんだ、十九は中西さんだ」
「他にもあるかしら」
「あるぞ、だからな」
それでというのだ。
「色々な」
「いい数字はあるのね」
「そうだ、そう思うといいだろ」
「そうね。私としては」
一華は父に応えてこう返した。
「やっぱり四十四は別格として」
「そうだな」
「あと永久欠番もね」
十と十一、二十三もというのだ。
「やっぱりね」
「格が違うな」
「永久欠番だとね」
それならというのだ。
「そう思えるわ」
「そうだな、どの数字も背景が違う」
「凄かったからね」
「だからこうした数字だとな」
それならというのだ。
「本当にな」
「別格で」
「それでな」
そのうえでというのだ。
「そうした数字が出たらな」
「安心していいのね」
「そうだ、しかしな」
「しかし?」
「これは阪神だからだな」
そう思えることはというのだ。
「巨人で十八とかだとな」
「ああ、桑田さんはいいけれど」
それでもとだ、一華は父に応えて言った。
「堀内はね」
「問題外だな」
「そうよね」
「あいつは駄目だ」
「色々評判悪いわね」
「ピッチャーとしてはよかった」
現役時代はというのだ。
「成績はな」
「それはなの」
「けれど若い頃から態度が悪くてな」
巨人は球界の紳士たれなぞという言葉は創作の世界のことだけであることを最初に見せたと言ってもいいだろうか。
「後で練習をさぼってばかりでな」
「そんな風だったの」
「それでコーチになってもだ」
それでもというのだ。
「殴ったり怒鳴ったりでな」
「酷かったのね」
「人を育てるなんてな」
それこそというのだ。
「出来る器じゃなかったんだ」
「そうだったのね」
「それで監督になってもな」
「駄目だったわね」
「理論も何もないんだ」
堀内にはというのだ。
「あるのは過去の実績とパワハラモラハラだけだ」
「上司としては最低のタイプで」
「それでだ」
その結果というのだ。
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