第170話
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エル顔の医者から連絡があり、今日に退院する事になった。
病院に着くと、カエル顔の医者が出迎えてくれる。
「よく来たね?
彼女が待っているよ。」
案内され、愛穂の病室に向かう。
ノックして扉を開けると、いつもの緑のジャージを着た愛穂が荷物を抱えて立っていた。
無くなった筈の左腕に荷物を抱え、しっかりと両足で立っている。
「黄泉川愛穂、完全復活じゃん。」
「退院できてよかったな。」
「おめでとうございます。」
制理の退院祝いの言葉は予想していたが、麻生からも言われるとは予想していなかったので、照れを隠すように頭をかく。
「頑丈に出来ているけど、無理はしないようにね?」
「世話になったじゃん。」
病院に世話になった人に挨拶しながら、病院を出て行く。
「今夜は退院祝いだな。
腕によりをかけるよ。」
「それは楽しみじゃん。
吹寄はどう?
生活には慣れた?」
「恭介や芳川さんのおかげで何とか。」
そんな他愛のない話をしながら、マンションに戻る。
戻ってから、麻生はすぐに調理に取り掛かった。
ケーキやら何やらを作るのには時間がかかるからだ。
その間に女性達による話し合いが始まった。
話題はもちろん麻生について。
「ウチが入院している間に、何か変わった事はあった?」
「特には。
前より優しくなったところくらいかしら。」
「一緒に暮らす訳だし、チャンスは一杯あるじゃん。」
「そうそう、愛穂。
ライバルがまた一人増えたわよ。」
桔梗は隣に座っている制理に視線を向ける。
それを感じた制理は顔を赤くする。
それだけで桔梗が何を言いたいのか分かった愛穂は。
「まさか一人増えるのは予想外じゃん。
でも、簡単に負ける気はないから。」
「そ、それは私もです!」
本院が近くに居ないので、本音を恥ずかしげに言う。
それを聞いて愛穂と桔梗は軽く笑い、マグカップに居れたコーヒーを掲げる。
「まぁ、これからも色々とよろしくじゃん。」
二人は愛穂のコップに自分のコップを当てて乾杯する。
夜になって麻生が腕によりをかけた料理を堪能。
それぞれが風呂に入り、就寝する時だった。
例によって、桔梗と制理が部屋にやってくるのだが。
「二人が行ってウチが行かない訳がないじゃん。」
予想はしていたが、黄泉川愛穂も麻生のベットに入ってきた。
ただでさえ、三人で狭いのに四人になると真ん中の圧迫感が半端ない。
しかし、彼女達が気にしているのはそこではない。
「散々今まで二人は恭介の隣にいたんだから、ウチに優先してもいいじゃん。」
「それとこれとは話が別よ。
一日に一度しかないイベントだから、簡単に譲る
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