第三章
[8]前話
「凄くいい娘達で」
「本当に有り難いです」
「だからこれからも」
「あのまま育って欲しいです」
「天も志保もです」
「本当に最高の娘達ですよ」
こう言うのだった。
「私達には過ぎた」
「本当にいい娘達ですよ」
「言うな、そこまで想うならな」
「これからもちゃんといい娘達に育てていけよ」
「二人共な」
「そうしていけよ」
親戚達はビールや日本酒を飲みながら志保の両親に話していた、志保はその話を聞いてから今自分がいる場所を後にした。
そしてだ、それからだった。
姉のことは意識せず自分のやれることをやっていった、そのうえで成長していったが大人になった時。
「お姉さんも妹さんもとてもいい人で」
「一緒にいてくれて有り難いわ」
「いや、それぞれ個性は違うけれど」
「いい人達ね」
こう話すのだった、そしてだった。
二人はそれぞれ結婚してもいい妻優しい母親だと言われた、その頃には志保は自分は自分だと完全に思う様になっていた。
それで実家に帰ってもだ、両親に話した。
「お姉ちゃんの要領が子供の頃嫌だったけれど」
「お前はお前だろ」
「あんたにも昔から随分助けてもらってるわ」
「お前も凄くいい娘だぞ」
「それが悪いの?」
「子供の頃はそうした考えなかったから」
それでというのだ。
「ついついね」
「そう考えたか」
「そうなのね」
「ええ、けれど今は違うわ」
微笑んで言った、そしてだった。
自分の夫それに息子には実家でも優しく接した。一緒に実家に帰っていた姉と彼女の夫それに息子にも。天もそうして二人共それぞれの家族からもいい評価を得たのだった。
要領のいい妹が 完
2023・9・24
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