第一章
[2]次話
要領のいい姉が
小学五年生の川崎天は要領がいい、それで両親からも親戚からも友人達からも評判がいい。
茶色の長い髪の毛で利発そうな顔立ちである、兎角動き回って人に何かしたり声をかけたりしている。
そんな姉を見てだ、一つ下の志保姉によく似た外見だが髪の毛は後ろで束ね姉より優しい感じの彼女は親しい友人達に漏らしていた。
「お姉ちゃんばかりなのよ」
「人気あるのね」
「お父さんからもお母さんからも」
「親戚からもで」
「クラスでも人気者みたいだし」
兎角誰からも好かれているというのだ。
「何か私除け者みたい」
「そう言うけれどね」
「志保ちゃんだっていつも私達に優しいじゃない」
「困ったらいつも助けてくれるし」
「何かと手伝ってくれるし」
「優しい言葉かけてくれるし」
「凄くいい娘よ」
「そう言ってくれて嬉しいけれど」
それでもというのだ。
「お姉ちゃん要領いいから」
「だからなの」
「お姉さんの方がずっと人気あるから」
「何処でもそうだから」
「嫌なの」
「そうなの」
こう言うのだった。
「凄くね」
「別に気にすることないと思うわよ」
「天さん別に志保ちゃんに何もしないでしょ」
「志保ちゃんだけに意地悪とか?」
「そういうことある?」
「それは」
言われてだ、天の自分への態度を思い出した。するとだった。
「別にね」
「意地悪じゃないでしょ」
「これといって」
「そうでしょ」
「ええ」
友人達に答えた。
「というか私が困っていても」
「助けてくれたりするでしょ」
「何かしてくれたり」
「いつもね」
家の中でのことを思い出しつつ答えた。
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