第三百十五話 ネクロマンサーの戦いその九
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「農業でな」
「何っ?」
「刑期を終えるまでそれに専念するんや」
こう言うのだった。
「ええな、逃げることは許さん」
「それはまさか」
「そうする」
頭の今の問いには答えなかった。
「自分等の刑罰はな、罪人やから刑務所に入ってる扱いやしな」
「それでかよ」
「衣食住は保証する」
その三つはというのだ。
「精々この場所で暮らせるまでの農地を育てるんやな」
「いいのかよ、それで」
「何なら農業の技術者も送る」
「まさかそれで」
「痩せた農地は豊かにする」
頭に述べた。
「それも政、当然のことや」
「あんたまさか」
「精々刑期の間励むんやな」
最後にこの言葉を頭そして他の者達の心に刻み込んだ。
そのうえで彼等を刑期に就かせた、彼はこのことについてデトロイトに帰った時に強い声で言った。
「殺人とかしてへん、生きる為に止むを得ずやとな」
「ああされますか」
「温情のある判決ですか」
「それで済ませますか」
「極悪人には容赦せん」
ルイーザは軍人達に言い切った。
「そうするけどな」
「それでもですか」
「こうした時はですか」
「この様にしますか」
「そや」
まさにというのだ。
「生きられるなら生きる様にすればや」
「悪事は働かない」
「左様ですね」
「そういうことや、そしてや」
ルイーザはさらに言った。
「あの連中の農地は屯田村みたいにするか」
「開拓をさせて」
「それを政でも助ける」
「そうしますか」
「連中は素人や」
農業のというのだ。
「あの場所は確かに元々痩せてるが」
「そのこともあって」
「それで、ですが」
「農地経営が上手にいっていない」
「そうですか」
「農業の素人ばかりやとな」
そうした者達が集まってもというのだ。
「それでもな」
「ことを為せない」
「よい農地は出来ない」
「そういうことですね」
「よくない条件の場所で素人ばかりやとな」
そうした状況ではというのだ。
「上手くいく筈がない、しかもお金もない」
「それなら尚更ですね」
「資金もないなら」
「絶望的ですね」
「それやと追剥をするのも当然、しかしな」
それをというのだ。
「変えてくで」
「そうしますか」
「政の中に組み込み」
「発展させますか」
「そうすればあの連中は安定して暮らせて」
そうした状況になりというのだ。
「悪事も行わん」
「そうなりますね、確かに」
「普通に生きられるならです」
「わざわざ悪事は行いません」
「普通の者は」
「それで悪事やらかす奴は容赦せん」
その様な輩はというのだ。
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