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ドリトル先生の落語
第六幕その三

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「赤ワインとかだね」
「そういうのだよね」
「赤ワインって甘いものに合うのよね」
「ケーキやクッキーでも」
「他の甘いものにもで」
「和菓子にもなんだよね」
「そうなんだよね、ただ和菓子はね」 
 先生はさらにお話しました。
「元々お茶と一緒に楽しむもので」
「お酒とじゃないよね」
「元々は」
「日本のお酒って昔は日本酒ばかりで」
「ワインとかなかったしね」
「ワインを飲む様になったのは明治からだよ」
 この頃からというのです。
「本格的にはね」
「それまでは舶来品の凄く高価なもので」
「物凄く限られた人しか飲んでなかったね」
「お大名でもかなりの人で」
「出島とかから仕入れていたね」
「そうだったよ、南蛮貿易があった頃も」
 この頃もというのです。
「ワインなんてね」
「欧州とかだとワインとケーキ同時ってあるけれど」
「普通にね」
「そうだけれどね」
 それがというのです。
「日本ではね」
「日本酒がそうだから」
「仕方ないね」
「お菓子とお酒は別」
「そうした風になってるね」
「そうだよ、だからお坊さんもね」
 お寺の人達もというのです。
「あくまで表向きはお酒飲めなくてね」
「そうだよね」
「般若湯と言って飲んでたけど」
「まあそれはご愛敬で」
「そうなっていてね」
「お酒は飲まなくて」
「それでお茶を飲んでいて」
 それでというのです。
「お茶を飲むとね」
「それならお菓子」
「そうなるね」
「実際仏教ではお菓子は禁止されていないし」
「食べてよかったね」
「だからお寺からお菓子が発達した面もあるんだ」
 日本ではというのです。
「これがね」
「そうだよね」
「日本はね」
「そうした国だね」
「そうだね」
「そうだよ、ちなみに今般若湯のお話をしたけれど」
 先生はお団子を食べながら皆に笑って言いました。
「お坊さんのそうしたお話も落語ではネタになってるよ」
「へえ、そうなんだ」
「お坊さんがこっそりお酒を飲んだりすることも」
「そうしたこともなんだ」
「ネタになるんだ」
「そうだよ、お坊さんのそうしたお話もね」
 まさにというのです。
「ネタになるよ」
「まあ日本のお坊さんって結構ね」
「そうしたところあるよね」
「ご愛敬で」
「それでね」
「戒律破りもね」
 これもというのです。
「日本ではね」
「ご愛敬なところあるね」
「本当は駄目だけれど何処か憎めない」
「そんな風だよね」
「日本では」
「だって日本では皆飲んでいて」
 民百姓の人達がです。
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