第三十五話 質問その十五
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その言葉に頷きすぐに仲間達に病院の場所それに名前を教えた、そして玳透に丁の護衛と留守を任せてだった。
そのうえで昴流を病院に連れて行った、するとすぐに診てもらうことになったが。
手術室の前でだ、神威は項垂れて言った。
「俺のせいだ」
「私もです」
護刃もそうなっていた、そのうえでの言葉だ。
「昴流さんに怪我をさせてしまうなんて」
「あの時あの男に向かわなければ」
「クゥ〜〜〜ン」
犬鬼が護刃の傍に座り慰めようとする、だが。
二人は項垂れたままだ、それでさらに言うのだった。
「取り返しのつかないことをした」
「本当に」
「これは戦いや」
その二人に空汰が窘める顔で声をかけた。
「そやからな」
「いいのか」
「そうですか」
「そや、誰もが傷付く可能性がある」
こう二人に言うのだった。
「そやから気にするな」
「そうよ、死ぬこともあるのよ」
火煉も空汰と同じ表情で言ってきた。
「だから気にしては駄目よ」
「それに昴流君は命に別状はありません」
征一狼も言って来た。
「ご安心を」
「そうなのか」
「助かるんですね、昴流さんは」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「いいですね」
「しかしな」
「目が」
「それもです」
傷付いたその部分の話もするのだった。
「今は一時的に失明しても」
「角膜移植か」
「それがありますね」
「ですから希望はあります」
目のこともというのだ。
「そこまでご自身を責められることはありません」
「そう言ってくれて嬉しい」
「本当に」
神威も護刃も征一狼の言葉に心から感謝して述べた。
「そうなりました」
「有り難い」
「では今はです」
征一狼は二人にあらためて優しい笑顔で述べた。
「昴流君を待ちましょう」
「そうさせてもらう」
「希望を持って」
二人も顔を上げて応えた、そうしてだった。
天の龍達は今は昴流の手術が終わるのを待った、そして手術中のランプが消えたところで部屋から出来た医師に状況を聞いたのだった。
第三十五話 完
2023・7・8
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