第三十五話 質問その十四
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星史郎は左手を顔の高さで軽く一閃させた、そうして桜吹雪を出してだった。
封真と颯姫をその中に入れてそのうえで姿を消した、花びら達が姿を消した青tには誰もいなかった。
その花びら達を見つつだ、昴流は言った。今も神威と護刃に支えられ血が流れる右目を押さえている。
「去ったんですね、星史郎さん」
「ああ、戦いは終わった」
「そうなりました」
神威と護刃は左右から昴流を支えつつ答えた。
「ですから私達もです」
「戻るぞ」
「ワン」
二人だけでなく犬鬼も鳴いてきた。
「いいな」
「そして手当てを受けて下さい」
「うん、けれどよかった」
ここで昴流はこうも言った。
「これで僕はあの人と同じになった」
「いや、同じじゃない」
神威は昴流の今の言葉の意味を察して答えた。
「あんたはあの人と違う」
「僕は僕かな」
「目のこともな」
このこともというのだ。
「あんたはどう思っているか知らないが」
「違うんだね」
「ああ、兎に角今はだ」
「戻りましょう」
護刃もまた言ってきた。
「皆さん待っています」
「そして傷の手当を受けるんだ」
「わかったよ、ではね」
「ああ、戻るぞ」
最後に神威が言った、そしてだった。
二人と犬鬼で傷付いた昴流を護って新宿の高層ビル群を後にした、戻るとすぐに残った仲間達が昴流に駆け寄った。
「すぐに手当てしましょう」
「血が流れているわね」
「お医者さんのところに案内します」
「気を確かに持ってね」
「すぐに治療を受けて下さい」
空汰、嵐、征一狼、火煉に続いて丁も言って来た。玳透も駆け寄っている。
「そうして下さい」
「そうだ、病院だ」
「病院に行きましょう」
今も昴流を支えている神威と護刃も言った。
「夜ですが」
「急患で手当てしてもらおう」
「そうした病院にも心当たりがあります」
征一狼は優しい微笑みで述べた。
「ですから」
「そちらにですか」
「今から行きましょう」
「早く行けばそれに越したことはないわ」
火煉も言ってきた。
「だからね」
「ほな今からです」
空汰の声も心から気遣うものだ。
「行きましょう、その病院に」
「征一狼さん案内をお願いします」
嵐もいつものクールさだが気遣っているのがわかる。
「今から」
「任せて下さい、ただこうした時も油断は出来ないので」
征一狼は仲間達の言葉に頷きつつ言った。
「丁様の周りは」
「僕ですね」
すぐに玳透が応えた。
「丁様の護衛は」
「お願い出来ますね」
「任せて下さい」
これが玳透の返事だった。
「それじゃあ」
「ではお願いします」
「それでは昴流さんをお願いします」
「お任せ下さい」
征一狼もだった。
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