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第三十五話 質問その十三

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「別に。君は君ですから」
「どうしてそんなことを言うんですか」
「その通りだからですよ。僕は僕で」 
 そしてというのだ。
「君は君ですから」
「だからですか」
「そうすることはなかったのです」
 昴流に言うのだった、その顔で。
「誰も望んでいないです、それに」
「それに?」
「特に封真君はどう思うか」
 昴流を傷付けた彼はというのだ。
「戦いのこととはいえ」
「しまった、星史郎さんを助けるつもりが」
「気にしてはいけないわ」
 戸惑っている封真に颯姫が言う。
「戦いだから」
「こうしたこともあるか」
「そうよ」
 まさにというのだ。
「私がそうしていた可能性もあるわ」
「そうなのか」
「周りをよく見ることです」
 星史郎は二人を見てからあらためて昴流に言った。
「そうすればわかることも多いです」
「それで俺も」
「昴流君のあれは事故です」
 それだと封真に話した。
「封真君も颯姫さんも私を守る為に攻撃をして」
「そしてですか」
「その時に」
「昴流君が前に出たので」
 神威を止めようとしてだ。
「どうしてもです」
「事故でしたか」
「そう言えるのね」
「そうしたものなので」
 だからだというのだ。
「気にされないで下さい」
「そうですか、それじゃあ」
「気にしなくていいのね」
「それに戦いです」
 星史郎は二人にこのことも話した。
「傷付け傷付けられ」
「命を奪い合う」
「そうしたものね」
「ですから」 
 戦いはそうしたものだからだというのだ。
「僕達も傷付けられ命を奪われるものでもあるので」
「お互いのことですか」
「こうしたことは」
「尚更です」
「気にすることはない」
「そうですか」
「そうです、それに昴流君なら大丈夫です」
 傷を受けた彼のことも言うのだった。
「また僕の前に出て来ます」
「そしてですか」
「戦うことになるのね」
「そうなります、そしてその時ですが」
 二人にさらに話した。
「どうか僕に任せて下さい」
「あの人のことは」
「星史郎さんに」
「是非。それはお願いします」
 今度は頼んだ。
「いいでしょうか」
「わかりました、それではです」
「あの人のことは貴方に任せるわ」
 封真も颯姫もそれならと頷いた。
「それでは」
「俺達はあの人にこれから何もしません」
「宜しくお願いします。では都庁に戻りましょう」 
 最後にこう言ってだった。
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