第三十五話 質問その十
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「お前も来て悪いことはない」
「俺は天の龍だ」
それは変わらないとだ、神威は返した。二人はそれぞれのビルの屋上から掌を突き出し力を放ちつつやり取りをしている。
「そのことは変わらない」
「その立場で小鳥を護るんだな」
「そうだ」
絶対にというのだ。
「だからだ」
「お前はあくまでか」
「天の龍にいる」
「そこにいれば小鳥を護れるからか」
「そうだ、そしてお前もだ」
封真もというのだ。
「護れる、だから来るんだ」
「人間を護るからか」
「その通りだ」
天の龍達はというのだ。
「小鳥もお前も護れる、だから来るんだ」
「俺達は地球を護っている」
封真も封真で言った。
「だからだ」
「その為にか」
「お前も小鳥も護れる」
そうだというのだ。
「だからな」
「俺と小鳥はか」
「こっちに来るんだ」
「あくまで話はつながらないか」
「そうだな、ならだ」
封真は強い声でと返した。
「俺もそうしたくはないが」
「考えは同じだな」
「お前と戦い勝ってもだ」
そうもしてというのだ。
「連れて行く、そうする」
「そうだな」
神威もそれはと答えた、攻防を繰り返しながら。
「俺もだ」
「お互い同じだな、ではだ」
「ああ、お前に勝つ」
「そして連れ戻す」
二人で言い合いそうしてだった。
攻防をさらに繰り返した、その隣では護刃と颯姫が犬鬼それにビーストを交えて闘っていた。だが。
ここでだ、戦場に星史郎が姿を現した、突如季節外れの桜吹雪が舞い彼はその中に姿を現したのだった。
「星史郎さん?」
「どうしてここに」
「お二人がそろそろお疲れかと思いまして」
星史郎は自分に顔を向けた封真と颯姫に答えた。
「お迎えに参りました」
「いえ、俺達はまだ闘えます」
「大丈夫よ」
二人はまずはこう返した。
「だからそれには及ばないわ」
「折角来てくれましたが」
「嘘はいけませんよ」
星史郎は二人の言葉に強がりを見て優しく返した。
「かなり闘っておられますね」
「それは」
「わかるの」
「わかりますよ、ですから今日はこれ位にして」
そうしてというのだ。
「僕が後詰をしますので」
「だからですか」
「この度は」
「お帰り下さい、庚さん達も待っていますよ」
「庚さんが」
「他の人達も」
「遊人さんも??君も」
星史郎は二人の名前も出した。
「そうですよ」
「遊人さんも」
その名前を聞くとだった、颯姫は。
言葉を一瞬だが止めた、それから星史郎に答えた。
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