第一章
[2]次話
火傷がある姉
鈴木聡美は赤髪をロングにしている、整った目鼻立ちをしていて顔立ちはかなり整い学校では成績優秀で知られている。
だがこのご時世になる前からいつもマスクをしている、それで妹で彼女より一学年下の優姉によく似た顔立ちだがより穏やかな感じで黒髪を短くしている妹は言っていた。
「お姉ちゃんずっとマスクよね」
「それはな」
「言わないであげてね」
それぞれ穏やかな顔をして清潔な髪型で均整の取れたスタイルである父の信忠母の常盤も言ってきた二人の両親はこう言うのが常だった、二人でうどん屋をしていてこの店の評判がかなりのものだったりする。
「いいわね」
「お姉ちゃんのことはな」
「そう言うなら」
素直な優はそれならと頷いた、だが。
聡美は兎角いつもマスクをしていた、家の食事の時もそうで妹として兎に角不思議に思っていたがある日のことだった。
姉は大喜びでだ、家で言っていた。
「そうなの、遂になの」
「ああ、手術出来るからな」
「暫く入院するけれど」
「これでもうな」
「大丈夫よ」
「そう、よかったわ」
笑顔で応えてだった。
彼女は大喜びで入院した、すると。
病室で顔を包帯で覆った、見舞いに来た妹はそんな姉を見て仰天した。
「お姉ちゃんどうしたの!?」
「ああ、実はな」
「お姉ちゃん整形手術受けたのよ」
その彼女に両親が話した。
「実は幼稚園の頃に火傷したの」
「口の周りをな」
「これまであんたにも見せてなかったけれど」
「その火傷の跡があまりにも酷くてな」
それでというのだ。
「手術代はあったんだが」
「問題は傷を全部なくせる位の整形外科のお医者さんが見付からなくて」
「けれどな」
「今度そうした人がいてくれたのよ」
「本当に厄介な火傷でな」
「完治は難しかったのよ」
「それがやっと治るのよ」
顔を包帯で巻いている姉も言ってきた。
「だから嬉しいわ」
「そうだったの」
「ええ、ずっと火傷の跡が嫌だったけれど」
妹に自分から話した。
「包帯取れたらね」
「お姉ちゃんもう大丈夫ね」
「そうよ」
笑顔で言うのだった、そしてだった。
聡美は包帯が取れるともうだった。
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