フルバースト!
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「すぐ泣くなよ。うっとおしい」
「………グスンッ」
……ウゼェ。
俺は一通り体操を終え、出番が来るまで待っていた。
「ねぇ、かざみん。かざみんはどこかに所属しているの?」
「……いや。どこにも所属してないな。むしろどこかに所属なんてしたことない」
俺の言葉にどこか違和感を持ったのか、ほんの少しとはいえ顔を歪ませた。
■■■
時間は少し進み、今は第三アリーナのフィールド。
一夏が負けたと聞いたが、そんなことは別にどうでもよかった。
(最後に一撃入れようとして―――負けるってなんだよ………)
どうやらそこでシールドエネルギーが切れたらしい。なんともまぁ馬鹿げた話だ。
今は周りが俺が専用機を持っていることに驚いていることにもどうでもよかった。
そしてオルコットは―――何か考え事をしていた。
「おいド三流」
最大限の侮辱を込めて呼んでみた。
「なっ!? だ、代表候補生であるこのわたくしに―――」
「いやいや。戦闘中に呆然としているカスには十分だ」
そう。既に戦闘は始まっている。だが、
「さっきから何を考えているの? ま、どうせくだらないことだろうけど」
「く、くだらないですってぇ!!?」
激昂するオルコット。肌が白い故に顔が赤くなるのがわかりやすい。
「いいでしょう。そこまでの侮辱するというのなら、もう手か―――」
―――ドゴッ!!
俺はディアンルグの右手でオルコットの顔面を殴り、そのままの衝撃でオルコットは吹き飛ばされた。
「お前さ、頭大丈夫? 雑魚風情が何俺に手加減しようなんて考えているんだ?」
「ざ、雑魚って―――」
「雑魚だよ。ISが出てから調子に乗っている女ってさ、ろくな奴がいないんだよね」
―――各部射撃武器、エネルギー装填
「そしてそのろくな奴の中に、当然お前も含まれてる」
―――ビームライフル《迅光》二丁 エネルギービット《キロプテル》8基 荷電粒子砲《迅雷》 エネルギー装填完了
「だから―――絶望の淵へと落ちな」
ディアンルグの菱形のアンロック・ユニットからビットが射出され、瞬時にオルコットに狙いを取る。
同時に両手にビームライフル(一丁ずつ)が現れ、腰部から2基の荷電粒子砲が展開された。
―――ターゲット、脚部、アンロック・ユニット、ミサイル発射口、マルチロック完了
「フルバースト!!」
合計16基から発射される光をオルコットはまともに食らい、辺り一面から煙が吹き荒れた。
「………3割で、これか」
俺は思わず、そんな感想を漏らす。
晴れた煙の中には、倒れているオルコットがそこにいた。生
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