第一章
[2]次話
狼は愛情深い
アメリカのイエローストーン動物公園においてだ。
施設内の狼の観察をしているスタッフの一人である動物学者のトマス=マッキンリー眼鏡をかけて理知的な顔をした薄茶色の髪の毛で面長の顔を持つ一八〇位の痩せた彼は公園の職員に一人にこんなことを言った。
「いや、本当にね」
「狼を公園に導入してですね」
「よかったとね」
自分が調査しまとめたレポートを見せつつ話した。
「思うよ」
「そうですね」
そのスタッフも否定せずに答えた。
「狼がいますと」
「生態系が守られるよ」
「草食動物を食べてくれるので」
「それでね」
「草食動物が増え過ぎない様にしてくれますね」
「草食動物も増え過ぎたら」
その時はというのだ。
「草木を食べ過ぎて」
「環境も荒れますし」
「よくないから」
だからだというのだ。
「その数の調整の為にもね」
「肉食動物である狼もですね」
「必要でね」
それでというのだ。
「この公園にも導入して」
「よかったですね」
「そうだよ」
まさにというのだ。
「そして狼自体がね」
「いい気質がありますね」
「この通りだよ」
ここで公園内に設置してあるビデオからの録画を紹介した、すると。
そこでは親の狼達がだった。
「餌が採れなかった日はね」
「生きものの骨とかを持ってきていますね」
「それを子供達に齧らせて」
そしてというのだ。
「この通りにね」
「満足させていますね」
「狼も狼を家畜化した犬も」
「骨があると齧りますね」
「そうした習性があるからね」
「顎を鍛えますし」
「また少しでも食事になるし」
骨を齧ってもというのだ。
「そうしてるよ」
「その辺りもわかりますね」
「せめてもとね」
餌が取れずともというのだ。
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