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星河の覇皇
第八十五部第一章 国防省への忠告その十二

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「政治家にとってかなり辛い部類のな」
「失脚をですね」
「招いたのだ」
「落選すれば」
 政治家はとだ、八条は述べた。
「それで、です」
「只の人だな」
「はい」
 まさにとだ、キロモトに答えた。
「それは」
「そうだな、それはな」
「また選挙に出て当選すればいいですが」
「策を弄してそれが露見してだとな」
「再選は難しいですね」
「策に失敗する能力以上にだ」
 さらにというのだ。
「策を使ってでも人を陥れようとする人格がな」
「見られてですね」
「それでの落選はな」
 それこそというのだ。
「致命的だ」
「だからですね」
「その議員はな」
「実際に今もです」
「選挙に勝っていないか」
「また落選したと聞いています」
「おそらくもう選挙には勝てない」
 キロモトは冷徹な目で述べた。
「他者を陥れようとしてそれが捏造だと露見すればな」
「どうにもならないですね」
「それも女性問題だ」
 そうしたスキャンダルを捏造したならというのだ。
「尚更だ」
「確かに。それはです」
「君もわかるな」
「仕掛けられましたから」
 他ならぬ自分自身がというのだ、八条はキロモトとの今の話からこのことを思い出してそうしてさらに言うのだった。
「やはり」
「そうだな」
「人を貶めるならです」
 それを狙うならというのだ。
「その下半身を狙え」
「それが一番効果があるな」
「それが嘘でもです」
 その時の八条の様にというのだ。
「人の記憶に残る」
「異性問題、同性問題はな」
「そうしたスキャンダルは」
「だから効果がある」
「はい、その人のイメージは確実に落ちます」
「事実君もだな」
「濡れ衣だとわかりましたが」
 それでもというのだ。
「しかしです」
「それでもだな」
「今もたまでも言われます」
「そのことをだな」
「冗談半分でも」
「そうだ、人の記憶に残る」
 こうした不倫だのという類のスキャンダルの話はというのだ。
「そしてだ」
「人を貶めますね」
「そうなるからな」
「確かな効果がありますね、ですが」
 ここで八条は顔を顰めさせて言った。
「これを行う人は」
「信用出来ないな」
「絶対に」
「そうだ、その様なことをする輩はだ」
 それこそとだ、キロモトも言った。
「非常に卑しい人間だ」
「そうですね」
「だからだ、どんなことでもする」
 この場合は卑しいという意味でだ。
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