第七百十七話 三つ目の蜥蜴その五
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「それはな」
「オーストラリアの」
「先住民だったな」
イギリス人達が入植する前からこの大陸で暮らしていたというのだ。
「彼等からだ」
「はじまりましたか」
「今では彼等も混血してだ」
アボリジニー達もというのだ。
「民族としての血はな」
「あやふやですか」
「連合は混血する国だ」
大尉はこの国のこのことも話した。
「それぞれ民族や人種に関わらず結婚してだ」
「混血しますね」
「そうした国だからな」
それ故にというのだ。
「アボリジニー達もだ」
「今ではですか」
「混血してだ」
そうしてというのだ。
「元のアボリジニーの血がな」
「薄いですか」
「エウロパの見方だとな」
この国の民族への考えから見ると、というのだ。連合とエウロパでは民族や人種への考えも違うのだ。
「最初のアボリジニーはいない」
「混血してですか」
「様々な民族や人種の血が入ってな」
その結果というのだ。
「もうな」
「最初のアボリジニーはですか」
「消滅してしまっている」
エウロパの見方ではというのだ。
「既にな」
「そうですか」
「しかし文化はだ」
アボリジニーのそれはというのだ。
「残っていてだ」
「そうしたものも食べますか」
「信仰も健在だしな」
アボリジニーのそれもというのだ。
「虹蛇達へのな」
「あの神々への」
「神と言うか精霊と呼ぶかは曖昧だが」
エウロパから見ればというのだ。
「しかしな」
「信仰は残っていますか」
「連合では混血していてもだ」
それでもというのだ。
「自分達がその民族と言えばな」
「その民族になりますか」
「アフリカ系でもアングロサクソンになる国だ」
この民族にというのだ。
「少し血が入っていればな」
「そう言えるのですね」
「そうだ」
連合ではというのだ。
「だから古代民族もあるのだ」
「フェニキア等ですね」
「アルム人なぞいるのか」
大尉は問う様にして言った。
「果たして」
「非常に怪しいですね」
「そうだな、ヒッタイト人もシュメール人もな」
「彼等は滅んでいますね」
「歴史の中でな」
「確かヒッタイト人は海の民に」
この海の民のことはこの時代においてもよくわかっていない、ミケーネ人ではないかという説があるがだ。
「滅ぼされていますね」
「そうなったな」
「そうでしたね」
「しかしだ」
それでもというのだ。
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