第七百十七話 三つ目の蜥蜴その三
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「やはり人の秘められた力がな」
「発揮されますか」
「そう言われている」
「そうなのですね」
「だから仏教の仏もな」
「目が三つある仏がいたりするのですね」
「そうだ」
まさにというのだ。
「連合ではな」
「仏教は確かマウリアからですか」
「察しがいいな、その三つ目というかな」
大尉は上等兵の今の話に応えた。
「手や足、身体の部分が多いのはな」
「マウリアの考えですか」
「それがより強い力だとだ」
「考えられているのですね」
「三面六臂の活躍というが」
連合のこの言葉も出して話した。
「これもだ」
「それだけ活躍しているということですか」
「そういうことだ」
「そうなのですね」
「ヒンズー教の神々は手や顔が多い」
普通の人間と比べてというのだ。
「そうした場合が非常によく見受けられるがな」
「その考えが連合にも入ったのですね」
「そうだ」
まさにというのだ。
「だからそうした考えもある」
「輪廻転生と共に」
「そしてムカシトカゲもな」
今もこの生きものを観つつ上等兵に話した。
「光は感じないが」
「目が三つあるので」
「よい生きものだとだ」
その様にというのだ。
「考えられている」
「面白い考えですね」
「エウロパにはないな」
「天使は高位ならです」
キリスト教の彼等はというのだ。
「熾天使や智天使はです」
「翼が三対あったりな」
合わせて六枚である、熾天使はこの六枚の翼を持っていることが特徴であり広く知られているのはこの時代でも同じであるのだ。
「顔と翼と足がな」
「四つずつあったりしますが」
「おおむねな」
「神や天使はです」
「人と同じ様な姿だ」
「目も手足も二つずつです」
「そうだな」
「はい、それがですね」
「連合ではな」
この国ではというのだ。
「仏教ではだ」
「そうなっていますね」
「千手観音という仏もいる」
仏教にはというのだ。
「この仏は文字通りだ」
「千本の手を持っていますか」
「そうされている」
「物凄いですね」
「うち二本は普通の手でな」
そうなっていてというのだ。
「残り九百九十八本は後光の様にだ」
「身体の後ろにありますか」
「そうなっている」
「それで千手なのですね」
「そしてその千本の手でな」
数多くのそれでというのだ。
「この世の人々を救うとだ」
「そうされているのですね」
「この通り身体のある部分が多いことはな」
「連合ではよいことですね」
「マウリアの考えが入ってな」
それでというのだ。
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