第三十六話 円卓の騎士達その九
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「どうぞお楽しみ下さい」
「ほなね」
「まさか円卓の騎士さん達もティーセット楽しんでるのかしら」
アレンカールはここでふと思った。
「ひょっとして」
「はい」
その通りという返事だった。
「その時は」
「三時になるとなのね」
「そうされています」
「やっぱりそうね」
「伝承の頃はありませんでしたが」
「アーサー王のね」
「あの頃は甘いものなぞ」
「そうはなかったわね」
「左様でした」
「お砂糖がね」
甘いものを生み出す最大の要素であるこの調味料がとだ、アレンカールはその砂糖で甘くしたスコーンを食べつつ言った。
「なくてね」
「シロップ等もです」
「そうは、だったわね」
「果物か蜂蜜か」
「そうしたものしかね」
「甘いものはなく」
「蜂蜜なんてね」
アーサー王の頃はというのだ。
「そうはね」
「ありませんでしたね」
「ええ」
アレンカールもそれは答えた。
「そうよね」
「ですから本来はです」
「そうした食べものは知らないわね」
「ティータイムは後にご存知になられ」
そうなってというのだ。
「それで、です」
「今はなのね」
「毎日三時には」
この時にはというのだ。
「楽しまれています」
「そうなのね」
「そしてデザートの時も」
「甘いものをなのね」
「召し上がられています」
「そうなのね、これはお友達の言葉よ」
マロリーのことを思い出しつつ話した。
「イギリスにある美味しいものの中にね」
「ティータイムのスイーツもですか」
「あるとね」
「言われていますか」
「そうなのよ」
こう言うのだった。
「これがね」
「そうなのですね」
「朝食と今しがたあたい達が食べたローストビーフとね」
「ティータイムはですか」
「自信を以てね」
マロリーのその言葉を思い出しつつ話した。
「美味しいと言えるってね」
「そうなのですね」
「実際美味しいわ」
アレンカールは今度はケーキを食べた、そのうえでの言葉だ。
「他のお料理も美味しかったけれど」
「ティータイムのものもですね」
「いいわ」
「そう言って頂き何よりです」
「ええ、ただね」
「ただ、ですか」
「今あたいが言ったことはね、ティータイムは普通でも美味しいけれど」
起きた世界のイギリスでもというのだ。
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