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神々の塔
第三十六話 円卓の騎士達その八

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「お酒にしても」
「質素であっても」
「楽しんで飲んだらええやん」
 こう言うのだった。
「酔って乱れたらあかんけど」
「まあ綾乃ちゃんは底なしやけどな」
 メルヴィルはどうしたものかという顔で綾乃のこのことを話した。
「お酒については」
「この面子いや十星連合の星のモンで一番の酒豪やな」
 羅が見てもだ。
「でかい甕一杯の日本酒飲んでも平気やしな」
「正直綾乃ちゃんとエカテリーナちゃんとタゴールは別格や」
 施は綾乃以外の三極星の二人の名前も出した。
「お酒については」
「どれだけ飲んでも平気やからな」
 トウェインも言った。
「お酒については乱れることはないやろ、綾乃ちゃんは」
「そういえばうち飲んで記憶飛んだことないわ」
 綾乃は自分から言った。
「頭確かで二日酔いもならんわ」
「それだけ強いってことやな、お酒が」 
 リーもこう言った。
「この前ウイスキーボトル六本と日本酒一升空けて平気やったし」
「何でもなかったわ」
 飲んだ本人の言葉である。
「飲んでも」
「ワインボトル一ダース一気に飲んだり」
 シェリルも話した。
「するしな」
「凄いですね」
 シェフも綾乃のその話に唖然となっていた、そのうえでの言葉である。
「そこまでなのですか」
「凄いやろか」
「かなり。実はです」
「実は?」
「神霊の方々の中には弱い方もおられます」
 酒がというのだ。
「特に日本の方にです」
「そうした方おられるんやね」
「織田信長様はです」
 この彼はというのだ。
「一口で、です」
「あっ、あの人下戸やったね」
「それもかなりの」
「実はそやねんね」
 一昔前までは酒乱の気がある様に書かれることが創作ではよくあった、大酒飲みでそうだというイメージだったのだ。
「あの方は」
「はい、よく第六天魔王だ暴君だと言われますが」
「実は結構優しいし」
「穏健な方ですね」
「悪人には容赦せんけど無駄な血は流さん方やで」
 これが信長の実像である様だ。
「それで甘いものがお好きで」
「お酒はですね」
「そやねんで」
 こうシェフに話した。
「ちなみにうち甘いものも好きやけど」
「そうなのですか」
「そやからデザートも楽しみにしてるで」
 こちらもというのだ。
「ほんまに」
「そちらはティーセットです」
 こちらになるというのだ。
「スコーンにケーキ、フルーツの三段の」
「そうやねんね」
「飲みものはミルクティーです」
 こちらになるというのだ。
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