第九十五話 蚊に刺されないことその十二
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「けれどね」
「注意は必要ですね」
「やっぱりね」
そうだというのだ。
「出来るだけね」
「そうなんですね」
「蚊がどれだけ怖いか」
このことはというのだ。
「わかっておかないとね」
「無茶苦茶怖いんですね」
「小さくて目に入りにくいけれど」
「そうですよね」
「まあ音出すから」
飛んでいるその時にだ。
「あの独特のね」
「プゥ〜〜〜ンっていう」
「そう、あの音でわかるから」
「見付けたら叩いて倒す、ですね」
「ええ、ただ蚊も命があるから」
先生はこう言うことも忘れなかった。
「自分の身を守る為でもね」
「命を奪うってことはですね」
「覚えておいてね」
「そのこともですね」
「何でも命があるのよ」
先生はこのことは強く言った。
「そしてそのことはね」
「忘れたら駄目ですね」
「絶対にね」
何があってもというのだ。
「そうなのよ」
「そうですか」
「さっき清盛さんのお話したけれど」
マラリアで死んだという説もあるこの人物の話をまたした、言うまでもなく日本の歴史上でも有名な人物だ。
「実は凄く優しい人だったし」
「無下に命を奪う人じゃなかったですね」
「頼朝さんと違ってね」
「あの人は敵というか」
「ちょっとでも何かあった人は皆殺しでしょ」
「身内でも」
「義経さんだってね」
このことで評判を落としていることは実に有名である。
「兎に角ね」
「どうかと思ったら」
「もう即座によ」
「殺していましたね」
「足利尊氏さんは慈悲深くて」
室町幕府を開いたこの人物はというのだ。
「徳川家康さんだってね」
「無駄に命を奪いませんでしたね」
「石田三成さんの子供殺してないのよ」
関ヶ原で戦ったこの人物のだ。
「実は秀頼さんの息子さんも」
「殺してなくて」
「他にも色々とね」
「人を助けていますね」
「大坂の陣で戦った人の家臣だって」
長曾我部盛親や大野治長のだ。
「殺してないのよ」
「そうですよね」
「秀頼さんの息子さん岸和田のお家の人になったって」
「そうみたいですね」
かな恵もその話に乗った。
「どうも」
「そう、木下家に匿われて」
「それで分家して」
「大名になってるのよ」
「そうみたいですね」
「秀頼さんは死んだみたいだけれど」
ただしこの木下家の主が一子相伝で伝えた話によると豊臣秀頼は実は逃げ延びたとある、当時も色々言われていた様だ。
「それでもね」
「息子さんはですね」
「表向き処刑したとして」
そうしてというのだ。
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