第九十五話 蚊に刺されないことその十
[8]前話 [2]次話
「何でもね」
「食べるとね」
「そのこと自体がね」
「命貰うことよね」
「お米や麦だってね」
主食、穀物もというのだ。
「やっぱりね」
「刈ってるからね」
「収穫の時にね」
「そうしているから」
だからだというのだ。
「もうね」
「命貰ってるわね」
「そうよ」
「だから」
それでというのだ。
「ヴィーガンの人達も」
「結局はね」
彼等がどう思っていてもというのだ。
「命貰ってるわ」
「そうよね」
「動物愛護はいいわよ」
タイの娘はこのこと自体はよしとした。
「命を粗末にしないでね」
「大事にすることはね」
「いいのよ」
「そうよね」
「けれどね」
「誰だって生きてるとそれだけで命を貰う」
「そのことは受け入れないと」
さもないと、というのだ。
「そうして生きるものだから」
「どんな生きものもね」
「だからね」
それでというのだ。
「それを受け入れて」
「生きていかないとね」
「本当にね」
「そうよね」
「そこはね」
まさにとだ、タイの娘も言った。そしてだった。
かな恵は狩りについてだ、あらためて言った。
「猟師さん達にはそんな人達の言うことは気にしないで」
「頑張って欲しいわね」
「それも沢山いて欲しいわね」
二人も続いた。
「獣害から畑を守る為に」
「山の自然を守る為に」
「反対っていうならあんた達代案出してみなさいよ」
「そうなるしね」
「命を奪わずにどうして獣害を解決するか」
「山の自然を守るのか」
「ニホンオオカミはね」
かな恵はこの生きもの、日本の山の生態系で肉食獣の位置にあり他の獣を食べて数を調整し山の自然と畑を守っていた彼等のことを言った。
「今少ないし」
「というか絶滅してたじゃない」
クラスメイトが言ってきた。
「その扱いだったでしょ」
「最近までね」
「ドリトル先生が発見されるまで」
「奈良県と和歌山県の境でね」
「それで今もね」
まだ生き残っていることが確認されてもというのだ。
「数はね」
「少ないし」
「日本全土に増えてもらうにしても」
そうしてもらいたくともというのだ。
「まだね」
「時間かかるわよね」
「そうだしね」
「それでどうするか」
「ニホンオオカミがそうでね」
そうした状態でというのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ